トーク番組「マサNOTE~山本昌が記す球人の軌跡~」(スポーツライブ+)でMCを務める山本昌。同番組は、毎回、球界のレジェンド選手をゲストに迎え、山本が現役時代を振り返りながらトークでゲストの半生をひもといていくというもの。8月21日(土)の放送回では、阪神タイガースのレジェンド選手、タイガースファンから「代打の神様」として親しまれた桧山進次郎が登場。
今回、山本にインタビューを行い、東京五輪で悲願の金メダルを獲得した"侍ジャパン"の戦いの総括とリーグ後半戦の予想、個人的に注目していることなどを聞いた。(取材は8月13日)
――東京五輪の"侍ジャパン"の戦いはどのようにご覧になりましたか?
「全部の試合を見ましたが、チームワークであったり、選手の選び方であったり、雰囲気であったり、やっぱり素晴らしかったと思います!楽な試合が少なかったというところでも接戦をものにできる勝負強さもありましたし、『選手たちが本当にいいチームだと思ってやっているんだろうな』というのを感じました。
あとは、稲葉(篤紀)監督の采配ぶりと選んだ選手の活躍には、素直に『すごいな!』と思いました。最初は『今シーズン調子が良い選手だけを選ぶんじゃないんだ!?』と驚いて、僕としてはピッチャー陣もそこまで調子の良い選手だけを集めているわけでもなかったので少し不安だったんです。でも、先発は誰々、リリーフは誰々と、腹を据えた使い方をされていて、とにかく素晴らしかったですね。最後の(胴上げ時の)稲葉監督の涙を見て、相当苦労されたのだなと。平気な顔をして采配を振るっていましたけど、内心はバクバクだったのだろうなって」
――これまであと一歩届かなかった金メダルを、無敗のまま獲得できたポイントはどこだったとお考えですか?
「準々決勝のアメリカ戦じゃないでしょうか。当然、延長10回のすばらしい攻撃で勝利したというのもありますし、オリンピック初登板の千賀(滉大)くん、大野(雄大)くんたちもしっかり抑えてくれましたしね。最後、(決勝打を)甲斐(拓也)くんが打ちましたけど、立派だと思ったのがその前の栗原(陵矢)くんが送りバントを決めたところです。ピッチャーが代わったばかりの1球目をバントするのって難しいんですよ。あれを一発で決めたところで、『決まったな』と思いましたね。あれは痺れました!ピッチャー陣で(6回以降)無失点でつないで流れを作って、最後はしっかりバントで決めて、というね。素晴らしかったです!」
――リーグ後半戦は、オリンピックの影響というのはあるものでしょうか?
「選手に関してはないと思います。ケガとかがあれば別ですが、調子の良い悪いはあまり関係ないでしょうね。一方で、前半戦が終わった時に、チームがどんな気持ちだったかというのは大事だと思います。好調で『1カ月空くのか...。流れが変わってしまう』と思ったのか、不調で『1カ月空いてよかった』と思ったのか。両方のチームがあったと思うのですが、両リーグとも上位は混戦ですし、パ・リーグに関しては本命のソフトバンクがまだ4位(8月13日時点)にいるので、これから大接戦になるのは目に見えていますから目が離せないですね」
――パ・リーグは激戦が予想されますね。
「オリックスが予想外ですけれども、細かく見れば宮城(大弥)くんがあれだけのピッチングをして、"日本のエース"ともいうべき山本(由伸)くんがいて、平野(佳寿)くんが抑えをして、吉田(正尚)くんを中心に上位打線も塁に出るようになりましたし、『本当に力をつけたな』と。首位にいて全然不思議じゃないです。パ・リーグは力のあるチームが多いので、どちらにしても後半は楽しみですね」
――一方のセ・リーグはいかがですか?
「AクラスとBクラスでちょっと差がついてしまいましたが、ヤクルトが素敵な戦いをしてくれていますね。鍵だといわれていた投手陣がある程度形になってきて、さらに新外国人2人(オスナ選手・サンタナ選手)が当たったというのが大きいです。村上(宗隆)くんとか青木(宣親)くん、塩見(泰隆)くん、山田(哲人)くんといった良いバッターがいる中で、新しく入った2人がいきなり3割近く打ってくれて打線の厚みが増しましたし。
タイガースが今1位を走っていますけど、タイガースからすると『勝っても勝ってもジャイアンツが離れなかったな』という不気味さがあったと思いますし、交流戦明けの最初の巨人対阪神3連戦の原(辰徳)監督の執念の采配は印象的でした。あそこで(巨人が)勝ち越したところで、流れが変わった気がしないでもないですね。今、菅野投手が(1軍に)いないわけですが、山口(俊)投手が入って、丸(佳浩)くん、坂本(勇人)くんら優勝を経験している選手たちが復調してきているので、タイガースにとっては怖い存在ですね。両リーグとも、上位のチームはスタートダッシュが大事だと思います。後半は後半のスタートダッシュが決まらないと、ずるずると行きかねないという気がしますね」
――個人的に注目していることは?
「今年のルーキーはレベルが高いから新人王は注目ですね!セ・リーグでは佐藤(輝明)くん、"日本の抑え"の栗林(良吏)くん、牧(秀悟)くん、パ・リーグでは伊藤(大海)くん、宮城くん、早川(隆久)くんもいて、両リーグともに新人王争いは見逃せないんじゃないでしょうか。栗林くんはオリンピックで相当評価を上げたと思うし、これでセーブ王のタイトルまで取ったとしたら、佐藤くん、牧くんを巻き込んで、('98年の)川上憲伸、高橋由伸の時の新人王争いのような激戦になるかもしれないですね」
――現時点で、開幕前にお伺いした優勝チームの予想から変更はありますか?
「上は変わってないです。ソフトバンクと阪神で!」
文=原田健
放送情報
マサNOTE~山本昌が記す球人の軌跡~#18
放送日時:2021年8月21日(土)11:00~
チャンネル:スポーツライブ+
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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