北海道日本ハムファイターズ・吉田輝星選手が8月度「スカパー!ファーム月間MVP賞」を受賞した。この賞は、その月のファーム公式戦を通して成績優秀な若手で飛躍が期待される選手を称えたもの。
吉田選手は8月、3試合に先発登板し、リーグトップタイの3勝、イースタン・リーグ3位の19投球回を記録し、投手陣を牽引。11日の千葉ロッテ戦では6回3安打1失点で勝ち投手になると、21日の埼玉西武戦では今シーズン最長となる8回を投げ6安打2失点と安定した投球を披露した。先発ローテ入りを目指し活躍を続ける吉田選手に、好調の要因からプライベートな部分までインタビューを行い、素顔に迫る。(※取材は9月14日)
――今回の「スカパー!ファーム月間MVP賞」受賞の感想をお願いします
「今シーズンは、キャンプから1軍に居て、開幕ローテーションには入れたんですけど、そこから1試合しか投げられませんでした。ずっと練習でやっていることがだんだん、賞を獲った月ぐらいから試合でもできるようになってきて、練習の成果が出てきたかなと思います」
――周りの方からは何か声をかけられましたか?
「秋田の知り合いやチームメイトの人にも『おめでとう』って言ってもらえましたね。ファームのMVPですけど、すごくうれしかったなって思います」
――8月はリーグトップタイの3勝を挙げられていましたが、好調だった要因は何ですか?
「オールスター前までは身体の調子が良くなかったんですけど、それがだんだん治ってきて、練習もしっかり出来てきました。ストレートの練習をずっとしていて、初回でストレートだけを投げていたんですが抑えられるようになってきて、フォアボールとかも(ストライクゾーンに)入ってきたんで、それも勝てた要因かなと思います」
――自分の中で変わったきっかけはありましたか?
「1年目から"ストレートを磨いていきたい"ってコーチの方と話し合ってやっていたんですけど、ストレートが大事だなっていうのは4月で投げた1軍の試合で改めて感じました。困った時に真っ直ぐをいつでも投げられるようにして抑えたいと思って、5月、6月はずっと練習していたんで、だんだんわかってきました」
――投球時に意識していることはありますか?
「球に回転をしっかりかけるために、リリースのポイントで力が入っていればいいと思っているので、できるだけ無駄な力を入れないようにしています」
――今後、磨いていきたい部分はありますか?
「まだ目標としているストレートは出来ていないので、引き続き磨いていきたいのと、カウントが取れる変化球と決め球のフォークの2球種をちょっとずつ練習し始めているので、ストレートと同じくらい自信を持てれば、自信をもって投球できると思い、練習しています」
――投球を参考にされている先輩はいらっしゃいますか?
「結構いますけど、上沢(直之)さんとか(伊藤)大海さんですね。上沢さんには自主トレから教えてもらったりしていて、ちょっとタイプは違うかもしれないですけど、色々聞きながら参考にしています」
――今までもらったアドバイスで印象に残っている言葉はありますか?
「"のびる真っ直ぐ"って言われるんですけど、『キレを出したり、球をのばすっていうのは、リリースの強さだったりとか、そこまでどれだけ力を抜いて投げられるのかっていうのが一番キーポイントだったりするから、遠投とかをしっかりやって球の回転を確認しておけよ』っていうのは、自主トレやキャッチボールをしている時から上沢さんにずっと言われました」
――最近の調子はいかがですか?
「8月より、ちょっとずつ調子は上がってきてはいます。オフ明けでキャッチボールをしても良い遠投が出来ていて、真っ直ぐもいいし、変化球も振れるようになってきているので調子は良いと思います」
――プロ入ってから印象に残っている試合はありますか?
「やっぱり、一軍で初勝利をした試合は忘れられないですね」
――その試合は、緊張されていましたか?
「いや、意外と緊張しなかったですね。基本、野球で緊張することはあまりないですが、人前に出て喋るのとかは緊張します」
――今まで対戦した投手で印象に残っている方はいますか?
「練習試合で田中将大さん(東北楽天ゴールデンイーグルス)と一緒の先発だったんですけど、自分のやりたいフォームに似ているというか、下半身を大きく使ったりとか、真っ直ぐのコントロールもいいし、そんな動きが無いように見えるのに球が凄いとか、そういう所を参考にしたいと思いました」
――では、打者で印象に残っている選手はいますか?
「去年対戦した、吉田正尚さん(オリックス・バファローズ)です。良いピッチングをしたんですけど、ホームラン一発で逆転されたので、改めてホームランを打たれるのは怖いなって思いました。その打席は、結構インコースで攻めていたんですが、一球失投した球でホームランを打たれたので、一軍のバッターはコントロールがないと抑えられないなと感じました」
――同じチームで、すごいなと思ったプロ野球選手はいますか?
「投手は、上沢さんと大海さんですね。打者は、一年目の紅白戦で大田泰示さんにホームランを打たれた時は、やっぱりプロ野球は違うなって痛感させられました」
――今後、対戦したい選手はいますか?
「同級生で千葉ロッテマリーンズに山口(航輝選手)がいるんですけど、秋田の高校時代からずっと対戦していて、戦績は抑えたのと打たれたのが同じくらいなので、プロでは抑えたいなと思っています」
――プロ野球選手として獲りたいタイトルはありますか?
「ピッチャーとして、沢村賞は獲りたいなと思います」
――小さい頃の夢は何でしたか?
「小さい頃からプロ野球選手でした」
――子供の頃、憧れていた選手はいますか?
「ホームランバッターが好きだったんで、歴代のホームランバッターの選手はすごいなって思いました。コーチの小笠原(道大)さんとかですかね。中学生からスカパー!でキャンプを見始めるまでは、日テレでジャイアンツの試合しか放送されていなかったので、ラミレス選手などすごいなーって思っていました」
――吉田選手のご出身、秋田県の「ふるさと自慢」を教えてください
「東京に来てびっくりしたんですが、千葉の船橋とかでもすごく都会に感じるのに、船橋出身の人に『船橋は全然都会じゃないでしょ』って言われるんですけど、船橋ぐらいの規模の市がいっぱいあるっていうのが考えられないです! (地元は)秋田市に行かないと(お店が)揃ってないくらいなので、ふるさと自慢は"景色が良い"ですかね。雪が好きなので、普通に写真を撮るだけできれいですね。雪かきは面倒くさいですけど(笑)」
――仲の良い選手はどなたですか?
「同級生が5人(柿木蓮、野村佑希、万波中正、田宮裕涼)いて、みんな仲が良くて毎年全員で集まったりしています。去年は自粛で集まれなかったんですけど、1年目はお酒が飲めなかったのでカラオケに行きました。他にもU-18日本代表メンバーで根尾昂(中日ドラゴンズ)、藤原恭大(千葉ロッテマリーンズ)とも仲が良く、恭大が1軍のMVPを獲った時に"おめでとう"って連絡したら『お前も獲ってるやん』って返信がきました」
――他の選手に入れ替わるとしたら、誰がいいですか?
「野村(佑希選手)になってみたいですね。バッターをやりたいですね」
――最後に、ファンの皆さんへ向けて一言お願いします
「ファームでMVPをいただいたことは嬉しいのですが、1軍で活躍しないと意味がないと思っているので、その期待に早く応えられるように頑張りたいなと思います」
※「スカパー!ファーム月間MVP賞」とは?
「スカパー!ファーム月間MVP賞」は、各月度のイースタン・リーグ及びウエスタン・リーグのファーム公式戦を通して成績優秀な若手で飛躍を期待する選手を、各リーグから1名ずつNPBが選出し表彰したもの。
スカパー!は、プロ野球12球団公式戦全試合を実現するだけでなく、ファームの試合中継にも取り組み、ファームの注目選手を表彰する本賞を認知されることで、より多くのファンにプロ野球の魅力を伝え、プロ野球界発展の一助になればと考え、2017年シーズンより協賛。
文=HOMINIS編集部
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