パ・リーグ 千葉ロッテマリーンズ B.レアード選手が、9月度の「スカパー!サヨナラ賞」を受賞した。この賞は、その月の全サヨナラ試合の中で、最も劇的なサヨナラ打を放った選手を称えたもの。
レアード選手は、9月10日ZOZOマリンスタジアムで行われた対東北楽天ゴールデンイーグルス19回戦、2対2の同点で迎えた9回裏、2死走者無しの場面でレフトスタンドへサヨナラ本塁打を放った。
この試合、千葉ロッテは2回にレアード選手のソロ本塁打で先制し、3回には荻野選手の中前適時打でリードを広げたが、6回に同点に追いつかれる。その後、千葉ロッテ先発の佐々木朗投手、東北楽天先発の田中将投手、両先発投手の粘りの投球でお互い追加点を許さず、試合は膠着状態のまま9回の攻防に。千葉ロッテは抑えの益田投手が無得点に抑え負けを無くし、9回裏の攻撃へ。マウンドには東北楽天2番手の酒居投手。3番からの好打順であったが、中村奨選手、マーティン選手は打ち取られてしまい、2死となった場面で打席には、この試合ここまで先制本塁打を含む2安打のレアード選手。1ストライクからの2球目を強振すると、打った瞬間にサヨナラ本塁打とわかる打球はレフトスタンド上段へ突き刺さった。頼れる助っ人の一振りは、激しい首位争いを繰り広げるチームを勢いづける価値ある一打となった。
レアード選手はスカパー!サヨナラ賞4度目の受賞となる。
――今回の「スカパー!サヨナラ賞」受賞の感想をお願いします。
「この賞をいただけるということは非常にうれしいです。サヨナラの場面を作ってくれたチームメイトがいて、そこできちんと仕事ができた事はうれしく思います。その後、チームメイトがベンチから喜んで出てくる姿を見て、本当に良い仕事を達成したなという気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます」
――9月10日のサヨナラは振り返っていかがでしょうか?
「マリーンズも調子が良く、上位で争っていた段階でしたので、"なんとかこの試合の一勝を"と打席に入りました。相手の東北楽天ゴールデンイーグルスも調子が良く、上位争いを競っている試合で、あの場面を作ってもらえて自分の仕事がしっかりと出来て、結果が残せて、自分にとってもチームにとっても大きい試合でした。これからもしっかりとした戦いをして、優勝を目指して頑張っていきたいと思います」
――サヨナラを打った直後は、監督やチームメイトの様子はいかがでしたか?
「本当に大きな仕事をしたんだなと。自分自身もホームを踏んで何とも言えない素晴らしい瞬間で、みんなが跳んで、頭叩いて、抱擁しあって、言葉では表せられないような瞬間でした。その後、三木(亮選手)にバケツの水をかけられました(笑)みんなが本当にうれしい気持ちというのが伝わってきました」
――佐々木朗希投手が先発で素晴らしいピッチングをした中で、レアード選手がサヨナラを決めた試合でしたが、佐々木投手の反応はいかがでしたか?
「あの試合、佐々木選手は素晴らしいピッチングをしていました。彼のピッチングは常に素晴らしいなと思って見ています。試合後、ビデオで見返したんですが、彼が非常に良い表情をしてくれていたので、素晴らしい試合だったと思います」
――9回ツーアウト、ランナー無しで凡退すれば引き分けという状況でしたが、ホームランを狙っていたのでしょうか?
「あの状況では、ホームランを打てばサヨナラですので狙っていました。自分のストライクゾーンを上げて、低めのボールに手を出さないように。今までの対戦を通して、酒井(知史)投手(東北楽天ゴールデンイーグルス)のボールが高めに来ることを予測しながら、ゾーンを上げてホームランをしっかりと狙っていたと思います」
――前々打席でヤンキースから復帰した田中将大投手からもホームランを打っておりましたが、ノッていたのでしょうか?
「田中投手は、非常に良い投手です。あの試合の一打席目でホームランを打って、良い投手からホームランを打てたことで自分自身の集中が保てたので、最後のサヨナラホームランが打てたと思います」
――こういう状況は、自分でもホームランが打てそうだと思うものですか?
「こういう状況じゃなくても、ホームランは自分の代名詞ですから、やっぱりホームランバッターとしては『ホームランを打つぞ』という気持ちで打席に入るようにしています。2-2の状況でホームランを打てば、試合が決まるわけですから、ホームランに対する自信はいつも持っていますので、いい方向に働いたんじゃないかなと思います」
――来日して、いろんな日本語をご存知だと思いますが、「サヨナラ」という響きは好きですか?
「もちろん、『サヨナラ』という意味はよく知っていますが、野球限っては響きは良いと思います。サヨナラという裏の攻撃で勝てるという勝ち方が、次へ非常にノッて行けると思うので、野球に関しては『サヨナラヒット』『サヨナラホームラン』というのは非常に良い響きですね」
――9月は好調でしたが、その要因は何でしょうか?
「打席内で我慢強く、自分の打てるボールを逃さないようにという気持ちで、しっかりとした見極めが出来ているんじゃないかなと。結果として9月はフォアボールが多くなっていると思います。なので、打席内での準備なり、辛抱強く、ヒットを逃さないというのが良い結果に繋がっているので、シーズンが終わるまで続けていきたいと思います」
――マーティン選手は「甘い球が必ず来る」と言っていますが、レアード選手もそう思っているのでしょうか?
「もちろん、そういう気持ちで打席に入っています。マーティン選手も言っていると思いますが、毎回毎回ピッチャーが良い球を投げてくるわけではないので、一打席で失投があるのか、その試合で1球、2球あるのか、それをどうやって逃さずに仕留めるのか。僕もマーティンもパワーヒッターですので、それをホームランにできるかにかかっているんじゃないですか」
――マーティン選手が戻ってきましたが、レアード選手にとってどんな存在でしょうか?
「マーティン選手がケガをして、本当に心配でチームメイト全員がどうなるんだろうという気持ちでしたが、回復力が早く、戻って来れてよかったです。シーズンを通して、僕とマーティンがランナーをかえすっていう仕事が大事で、それがここまで出来ているシーズンだと思います。ホームランに限っては、どちらがホームラン王を獲るんだろうっていう気持ちもありますが、常日頃から自分もマーティン選手もチームのために何かできないかという気持ちで臨んでいますので、どちらかがホームラン王を獲れれば、それに越したことはないと思います。ホームランがチームの勝利に貢献できればいいと思いますので、残りの試合も頑張ります」
――レアード選手は、北海道日本ハムファイターズ時代にリーグ優勝と日本一を経験されていますが、その経験を踏まえて、今はどのような気持ちでプレーされていますか?
「若手もしっかりとした仕事をしていますし、1年間を通して自信を持って戦っています。これからは、今までやってきたことを変えずにしっかり継続してやっていくことが大事だと思っています。チームとしてピッチャーも打者もしっかり仕事をしていますので、これからも継続していけたらいいんじゃないかと思います」
――レアード選手から見て、チームの雰囲気はいかがでしょうか?
「これから、さらに競った状態になってきて、大切な試合になってきますが、やるべきことをしっかりとやれば、結果は自ずとついてきますから1日1日しっかりと戦いを進めていくだけです」
――優勝への意気込みをお願いいたします
「いつもマリーンズの応援をありがとうございます。皆さんの前でしっかりとした戦いをこれからもしなくてはならないと思っています。自分もしっかりとした打撃をして、チームとしての競った試合をものにして、優勝を目標としてみなさん期待に応えられるように頑張っていきますので、これからたくさんたくさんお寿司を握っていきたいと思います」
――今季、今まで対戦で一番印象に残っている選手はいらっしゃいますか?
「オリックス・バファローズの宮城(大弥)選手が良いストレート、良い変化球を投げて、本当にコントロールが素晴らしく今シーズンはすごく印象的でした」
――宮城選手と対戦する時は、嫌だなという気持ち、打ってやろうという気持ち、どちらの気持ちが大きいですか?
「バッターボックスに入る時は、宮城投手に限らず、嫌だなという気持ちで入らずに、いつも打ってやろうというプラス思考で入っています。なので、宮城投手がマウンドにいる時もしっかりプラス思考で入っています」
――オフの日の過ごし方を教えてください
「一番は家族の時間を大切にすることがリラックス方法ですね。息子と野球をやって、公園で犬を連れて1日過ごしたり...あとはインターネットでビデオゲームをしますね(笑)」
――公園で野球をしていると、周りの方に気付かれないですか?
「近所にマリーンズのファンがたくさん住んでいるので『レアードだ』って気付かれますね(笑)野球で息子とコミュニケーションをとることで、息子は野球がすごく好きになってきているので非常にうれしいです」
――最近、一番幸せを感じた瞬間を教えてください
「やっぱり息子の成長っていうのがうれしいです。日本のプロ野球でプレーした時に生まれたので、育ってるっていうのは非常にうれしい瞬間ですね」
――最後に、ファンの皆さんへ向けて一言お願いします
「いつもマリーンズと僕のことを応援してくれてありがとうございます。しっかりとした打撃を心がけて、シーズンを戦っています。残りの試合も少ないですが、優勝を目指して、1日1日を全力で、一試合一試合しっかりとした戦いをしていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いいたします」
※月間スカパー!サヨナラ賞とは
月間を通じて最もインパクトのあるサヨナラ打等を放った選手に贈られる賞として2012年に制定。「試合終了最後の1球まで真剣勝負をお届けするスカパー!」から多くのファンに、プロ野球中継最大の魅力を伝えることができ、それがプロ野球界発展の一助となると考え、本賞へ協賛。
文=HOMINIS編集部
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