復活を遂げた東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大が奪三振を積み重ねる!

東北楽天ゴールデンイーグルス・則本昂大
東北楽天ゴールデンイーグルス・則本昂大

レギュラーシーズンの終了が迫ってきたプロ野球。オリックス・バファローズ、千葉ロッテマリーンズを追っている東北楽天ゴールデンイーグルスは逆転優勝、そしてクライマックスシリーズ進出へ向け奮闘中だ。そんな見逃せない展開のペナントレース全主催試合は、J SPORTSで生中継されている。石井一久監督1年目で栄冠を目指すチームを牽引しているのが、今季復活を遂げた右腕・則本昂大(のりもと たかひろ)だ。

■大学で33勝0敗、防御率0.56の圧巻の成績を残し楽天へ入団

滋賀県犬上郡多賀町出身の則本は、小学校で野球を始め、軟式野球の全国大会にも出場。地元滋賀の八幡商業高校へ進んでから硬式野球に転向し、2年時からエースとなるも、甲子園に出場することはできなかった。三重中京大学に進学後は1年時からマウンドに上がり、4年時の全日本大学野球選手権1回戦では大阪体育大学を相手に延長10回で20奪三振の快投を披露。大学時代の三重県リーグでは通算33勝0敗、防御率0.56という圧巻の成績を残し、2012年のドラフトで楽天から2位指名を受け、プロ入りを果たした。

■2017年には8試合連続2桁奪三振の日本記録を樹立

入団1年目の2013年、則本はいきなり開幕投手に抜擢される。ルーキーが開幕投手を務めるのは、1984年の高野光(ヤクルト)以来29年ぶりで、パ・リーグでは1958年の杉浦忠(南海)以来55年ぶりの大役だった。開幕戦こそ黒星を喫した則本だが、2度目の先発となった千葉ロッテ戦でプロ初勝利をマーク。その後も順調に勝ち星を積み重ね、15勝8敗、防御率3.34の成績で新人王に輝いた。日本シリーズでは、新人としては61年ぶりとなる開幕第1戦の先発も任されている。

そして2年目の2014年は、最多奪三振の初タイトルを獲得。奪三振は則本の代名詞となり、2017年には8試合連続2桁奪三振の日本記録を樹立。2014年~2018年に5年連続で最多奪三振のタイトルに輝き、プロ入り6年連続で2桁勝利をマークするなど、日本球界を代表する投手の地位を確立していった。

2019年、2020年こそ右肘手術の影響もあって5勝止まりに終わったが、今シーズンは開幕から安定したピッチングを続けて復活を遂げた。9月9日の北海道日本ハム戦では毎回の11奪三振で完封勝利を飾り、通算42回目の2桁奪三振で、石井一久監督の記録を上回った。10月7日の千葉ロッテ戦でも11奪三振を記録し、通算43回の2桁奪三振は歴代8位タイにランクインしている。10月15日現在、チームトップの10勝を挙げており、奪三振140はリーグ2位の数字だ。

■奪三振を積み重ね、震災から10年目の年に東北へ栄冠を!

シーズン終盤になって、1段ギアを上げた力投を見せている則本の最大の武器は、打者の手元で伸びるストレートだ。コントロールを重視し、ノーワインドアップ、セットポジションから投げる投手が大半の現代野球で、いまや"絶滅危惧種"とも言えるワインドアップで投げる則本。豪快に振りかぶり、鞭のようにしなやかに腕を振るフォームから繰り出されるストレートはボールの回転数が多くスピンがかかっており、まるで浮き上がるような軌道でバットの上を通過していく。また、鋭く曲がるスライダー、緩急の差をつけたフォークも一級品で、ほとんどこの3球種だけで奪三振を積み重ねている。

これからクライマックスシリーズ、そして日本シリーズ進出を狙う上で、調子を上げてきた則本の存在は頼もしい限り。今やチーム内に数少なくなった、2013年の楽天日本一を知るベテラン右腕が快投を繰り広げ、東日本大震災から10年の節目の年に、東北にチャンピオンフラッグをもたらすことを期待したい。

文=田口裕(エンターバンク)

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放送情報

J SPORTS STADIUM2021楽天イーグルス vs. 福岡ソフトバンク
放送日時:2021年10月23日(土) 13:30~
チャンネル:J SPORTS 2
J SPORTSでは東北楽天ゴールデンイーグルス全主催試合を生中継

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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