11月25日(木)~28日(日)開催の今季最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ2021」で国内賞金女王が決定する。ゴルフ解説者の塩谷育代さんに、熾烈な争いを続けている選手たちを分析してもらい、誰が賞金女王に近い位置にいるのか伺った。
■稲見萌寧の緻密さは異次元!西村優菜は成長が際立った
賞金女王争いは稲見萌寧が首位を走り、小祝さくら、西村優菜、古江彩佳の3人が追い掛ける展開となっている。塩谷育代さんは「今季は1年半という期間で賞金女王を争う異例のシーズン。序盤は小祝選手が快走しましたが、稲見選手が勝利を重ね、古江選手や西村選手も追走しましたね」と今季を振り返る。そして4人のプレーぶりや現状に関して次のように分析する。
「西村選手の飛躍ぶりには驚かされました。修正能力が高いですし、成長スピードが驚異でした。稲見選手は、練習を見ていると相当細部に至るまで体の動きを綿密にチェックしています。それを彼女は試合でも欠かさない。そんな選手は他にいません。あのレベルの緻密さをルーティンでこなすのはすごいですよ。小祝選手については、5月に見た時に本来のスイングではなく心配でした。8月に2週連続優勝を果たし、調子が戻ったかに見えましたが、私は以前の彼女のスイングではないように感じています。古江選手も上位3人に匹敵する実力があります。西村さん同様に小柄で飛距離が出るタイプではありませんが、彼女はいわゆる"ゴルフ脳"を持っている選手。適度な高揚感を持って、モチベーションの維持を自分でコントロールできる特異な選手ではないでしょうか」
最終戦まで10、11月には優勝賞金が高額な大会も控え、争いは最終戦までもつれそうだ。
「今季の女子ゴルフ界は群雄割拠。稲見選手もこのまま簡単にはいかないはずです。勝利への執着心がより強い人が勝つともいえますが、みんな負けず嫌いですからね。小祝選手だけは少し違うんですけど(笑)。とにかく、最終戦のリコーカップは見逃せない戦いになるでしょう。芝目が強くボールが転がりにくい高麗グリーンのコースなので、パッティングが不安な選手はまず勝てません。また、グリーンが小さいので、ショット力も求められます。精神的に波のない古江選手あたりが、面白い存在になるかもしれません」
取材・文=渡辺敏樹
※記載内容は2021年10月11日(月)現在の情報です
しおたに・いくよ●'62年5月28日生まれ、愛知県出身。'82年にプロテスト合格。'92年&'95年にLPGA最優秀選手賞獲得賞金第1位に輝き、以降、ツアー通算20勝を挙げる。現在は、シニアツアー参戦やテレビ解説、若手育成など多岐にわたり活動している。
放送情報
JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ2021
放送日時:2021年11月25日(木)8:15~
チャンネル:日テレジータス
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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