サイクルロードレース解説者・栗村修が世界三大ツール「ジロ・デ・イタリア」を語る

欧州ではサッカーW杯以上に盛り上がるともいわれるのが世界三大自転車レースだ。ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャの中でも、その幕開けとなる必見の大会がジロ・デ・イタリア。ロードレース解説者の栗村修さんにその見どころを語ってもらった。

ロードレース解説者の栗村修
ロードレース解説者の栗村修

■おしゃれな雰囲気ながらも過酷条件に選手も限界寸前

「グランツール」と称される、世界三大自転車レースは伝統があり、欧州では毎年大変な盛り上がりを見せる。ジロ・デ・イタリアは、その年の最初に行われるグランツールとして、ファンの注目度が高い。

「Cycle*2022 エシュボルン・フランクフルト」©A.S.O./HenningAngerer 

「3週間かけて毎日タイムを競い、過酷な山岳コースなども走るグランツールは、スポーツを超越して人間の限界に挑む競技です。しかも大自然と闘うので、ファンは人生の教訓を学べることが多い。それが人々をとりこにする理由です。ジロの場合はファッションセンス抜群なイタリアの国民性もあり、映る街の風景や沿道の人々の姿がおしゃれなイメージが強い。その半面、非常に厳しいコースがあることも特徴です。近年はツール・ド・フランスとの差別化を図る目的もあり、より個性的なコースを追求した結果、極めて過酷な山岳コースが設定されるようになりました。総合優勝を争うには山に強いことが一つの条件になりますね」
 
おしゃれで洗練された雰囲気ながらも極めて過酷なレース。それがジロ・デ・イタリアの真実だ。

「今回のコースは総獲得標高が5万1千mにも達し、成層圏の最上部まで駆け上がる距離です。5月でも高地では降雪することもありますからね。私は誉め言葉として『ヒドイ・ゾ・イタリア』(笑)と名付けてますが、山岳がきつい一方で、個人TT(タイムトライアル)の合計距離は60年ぶりの短さです。平地が得意なスプリント型の選手には、完走することが特に難しいコースだと思います」
 
全ステージという長丁場のレースだが、中でも必見となるステージを挙げてもらった。

「ハンガリーのブダペストで開幕する序盤のステージは、沿道の熱狂的な歓迎ぶりに注目です。さらに獲得標高5千m超えとなる第16ステージ、最終日前日の第20ステージは最も過酷なコースで、総合優勝争いに直結するため見逃せません。前半のやま場となる第9ステージも高難度で楽しみです」
 
最後に栗村さんが注目している選手も紹介してもらった。「優勝候補と目されるのは、ジョアン・アルメイダ選手(ポルトガル)、東京五輪金メダリストのリチャル・カラパス選手(エクアドル)、サイモン・イェーツ選手(イングランド)の3人ですね。さらにシクロクロス、MTB(マウンテンバイク)との"三刀流"で話題のマチュー・ファン・デル・プール選手(オランダ)も要注目です」

くりむら・おさむ●1971年12月30日生まれ、神奈川県出身。17歳で渡仏し、欧州プロチームと契約するなど、国内外でロードレーサーとして活躍。現在、解説者としても精力的に活動中。

取材・文=渡辺敏樹

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放送情報

Cycle*2022 ジロ・デ・イタリア

放送日時:2022年5月6日(金)18:30~
チャンネル:J SPORTS 4

Cycle*2022 エシュボルン・フランクフルト

放送日時:2022年5月1日(日)20:00~
チャンネル:J SPORTS 4

Cycle* 我らワールドのサイクルロードレース観戦塾2022 #4

放送日時:2022年5月14日(土)20:30~
チャンネル:J SPORTS 4


※放送スケジュールは変更になる場合があります

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