スポーツライター・西尾典文が交流戦で注目の若手選手を語る「セ・パ共にストレートがいい若手ピッチャーに注目です！」

5/24(火)から6/12(日)にかけて行われるセ・リーグとパ・リーグの交流戦は、ファンはなじみのない別リーグの選手と出会える絶好の機会だ。今回はアマチュア野球から選手を取材しているスポーツライターの西尾典文さんに、交流戦で注目すべき両リーグの若手選手をうかがった。

■各球団の佐々木朗希投手の攻略法が交流戦の見どころ

今シーズンも序盤から、若手選手の活躍が目立っている。中でも史上最年少で完全試合を達成した佐々木朗希投手(千葉ロッテ)は、西尾さんも今一番注目すべき若手選手だと踏んでいる。

「佐々木投手は、今の状態でいったら日本で一番のピッチャーなのは間違いない。1軍デビューした昨年と比べて単純にストレートが速くなって、コントロールも良くなっている。さらに、状態が良くなくても相手がランナーを出すこと自体難しい投球を見せている。力勝負のパ・リーグと比べ、セ・リーグはあの手この手で攻めてくるのが特徴。佐々木投手に対し、セの各球団がどういった攻略をしてくるのかが交流戦全体で見ても一番の見どころではないでしょうか。また、バッテリーを組む高卒ルーキー・松川虎生(こう)捕手にも注目です。普通は、高校からプロに入ったら投手のボールを捕るのも大変。そんな中、今まで見たことのない佐々木投手の１６０kmの直球や、１５０km近くのフォークを捕れているというのは、キャッチングのうまさが大きい。ベテラン投手とも会話ができるコミュニケーション能力の高さにも目を見張るものがあります」

完全試合バッテリー以外にも、注目選手は多い。中でもパの新人王に現状で一番近いのは、埼玉西武のドラ1ルーキー・隅田知一郎(ちひろ)投手だとにらんでいる。

「隅田投手は先発で安定していますよね。シーズンは長いですが、1試合で見ると終盤まで球威が落ちない。大学時代と比べて、体力面で成長しているのが大きいと思います。あとは北海道日本ハムの(ルーキーの)北山亘基、吉田輝星の両投手。2人とも球筋のいいストレートを投げるので、ぜひ、注目してほしいですね。セ・リーグでは、巨人の現クローザーの大勢(たいせい)投手には驚かされました。正直１年目から、ここまでやるとは思わなかった。見るからにすごいストレートを投げるので、力勝負のパ・リーグの強打者との対決が楽しみです。中日の2年目の髙橋宏斗投手もストレートとフォークがよく、先発の中でも面白い存在。また野手では、岡林勇希選手(中日)は運動能力が高くて足も速い。思い切りのいいバッティングが魅力。同期入団の石川昂弥(たかや)選手とともに、チーム浮上の鍵を握る選手だと思います。パンチ力のあるルーキー・野村勇(いさみ)選手(福岡ソフトバンク)も注目です」

にしお・のりふみ●1979年生まれ、愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間約300試合を取材。

取材・文＝宮澤祐介　※取材は4月下旬に実施

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