ファンも歓喜、日本語が上手な海外フィギュアスケーター

海外のフィギュアスケーターの中には、日本のアニメや文化に興味を持ったり、「日本のファンとコミュニケーションを取りたい」というきっかけによって、日本語を勉強している選手たちがいる。とくにカナダの男子シングル ケヴィン・レイノルズ選手、アメリカのジェイソン・ブラウン選手、中国のペアの女性フィギュアスケーター于小雨(う しょうう)選手が巧みな日本語を使うのは、ファンには有名な話だ。

アニメ衣装も再現、新4回転ジャンパーのパイオニア

ケヴィン・レイノルズ選手(カナダ)
現在、男子シングルは進化した4回転時代と言われているが、ISU(国際スケート連盟)公式戦で初めて一つのショートプログラムの中に2度の4回転ジャンプを成功させたのはレイノルズ選手である(2010年のグランプリシリーズ カナダ大会)。2012-13シーズンには、大阪で行われた四大陸フィギュアスケート選手権で金メダルを獲得した。長い手足を生かした滑り、そして少し控えめな性格で日本でもファンが多い。

そんなレイノルズ選手は、幼い時から日本のゲームやアニメーションに触れていたという。2011-2012シーズンでは日本のゲームソフト、『クロノ・トリガー』の楽曲をメドレーで使用し、ゲームファンの間でも話題になった。2015-16のショートプログラムはアニメ『カウボーイビバップ』のオープニングテーマを使っており、衣装も再現。この作品が心底好きなことがうかがえる。彼自身、アニメのキャラクターのようにスタイル抜群なので、再現衣装も非常に似合っていた。

日本語は大学で授業を受け始めてから上達し、2016年2月には日本語能力試験で"日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる"というN2のレベルを取得している。

SNSでも日本語を駆使、芸術的な滑りが魅力のスケーター

ジェイソン・ブラウン選手(アメリカ)
優美なスケーティング、柔軟性を生かしたバレエジャンプ等、細部までこだわった芸術性を活かした滑りで観客を魅了するブラウン選手。ソチオリンピック団体戦では銅メダルを獲得。いつも笑顔を絶やさず、フレンドリーな性格の持ち主である。

「日本語で日本のスケート界の人たちと話をしたい」という思いから、週に4回家庭教師をつけて日本語を勉強。今年、日本に来日した際のメディアのインタビューでは、40歳までに日本語がペラペラになることが目標で、将来は日本の小学校で英語の先生をやりたい、とも話している。SNSでも、たびたび漢字やカタカナを交えた流暢な日本語を披露している。

中国選手の通訳もした可憐なペアの女子選手

于小雨選手(中国)
レイノルズ選手と同じく、日本のアニメーションがきっかけだったのは、于選手。2014年NHK杯ではショートプログラム後の記者会見では流暢な日本語で対応した。翌年、2015年のNHK杯では当時ペアのパ―トナーだった金楊(きん よう)選手、中国男子シングルの期待の星、金博洋(きん はくよう)選手とともに日本メディアの取材を受けたが、日本語通訳の役割を任された。

日本語を話せるようになったきっかけは、アニメ『犬夜叉』にはまったこと。小学生のころからアニメを通して少しずつ日本語に興味を持って、いつのまにかしゃべれるようになったとインタビューで語っている。最近では本格フィギュアスケートアニメ『ユーリ!!! on ICE』に感動したという。

試合ではアスリートとして厳しく真剣な表情を見せる選手たちだが、それが終わればにこやかに談笑している。日本人選手も英語で海外選手と話しているが、日本語を勉強しているフィギュアスケーターたちをきっかけにして、また新たな交流が生まれていることにも注目したい。

Writer:桂泉晴奈

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

この記事の全ての画像を見る

放送情報

フィギュアスケートグランプリシリーズ世界一決定戦2017 フランス大会 アイスダンスショート(2017年11月17日) アイスダンスフリー(2017年11月18日) <録画>

放送日時:2017年12月4日(月)15:00~

チャンネル:テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像