竜王戦は苦しい将棋もあったが、4勝2敗で初防衛を果たした。棋王戦で挑戦権を獲得し、年明けは六冠を目指す戦いとなる。さらに銀河戦でも2度目の優勝を飾り、早指しでも活躍を見せている。※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。
12月2、3日に第35期竜王戦七番勝負第6局で広瀬章人八段と対戦。角換わり腰掛け銀から藤井が素早く仕掛けていく。難解な将棋だったが、2日目に入って巧みな切り返しから形勢をリード。以下は素早く寄せて押し切った。これで七番勝負は4勝2敗となり、竜王の初防衛を果たした。
12月8日に第48期棋王戦コナミグループ杯敗者復活戦で羽生善治九段と対戦。角換わり腰掛け銀から激しい攻め合いとなるが、抜け出したのは藤井。羽生の勝負手にも動じず、最後は分かりやすい一手勝ちを収めた。
12月19日に棋王戦挑戦者決定二番勝負第1局で佐藤天彦九段と対戦。横歩取りの持久戦から後手の佐藤が動いていくが、藤井は丁寧に対応していく。少しずつリードを奪っていくと、最後は勝負手もかわし快勝。挑戦権の行方は第2局へ。
12月23日に第81期A級順位戦6回戦で佐藤天彦九段と対戦。佐藤の矢倉に藤井は急戦。互角の中盤が続いていたが、藤井が抜け出して攻勢を取る。終盤も安定した指し回しで押し切り、5勝1敗と星を伸ばした。7回戦では豊島将之九段(19勝11敗)と対戦する。6回戦で藤井以外の1敗が消え、単独首位となっている。
12月27日に棋王戦挑戦者決定二番勝負第2局で佐藤九段と対戦。佐藤天彦の横歩取り3三桂戦法から持久戦へ。桂得してリードを奪うと、その後も手堅い手を重ねて快勝。敗者復活戦から勝ち上がり、2連勝で挑戦権を獲得した。渡辺明棋王との五番勝負は2月5日に開幕する。
第72期ALSOK杯王将戦七番勝負の挑戦者はリーグを6戦全勝で駆け抜けた羽生善治九段に決定。待ちに待ったスーパースター同士のタイトル戦だ。第1局は1月8、9日に行われる。
12月6日に第30期銀河戦決勝トーナメント2回戦の永瀬拓矢王座戦が放映。角換わり腰掛け銀の最新形からうまい攻めを見せた藤井が抜け出す。以下は永瀬の粘りを振り切って制勝。
続く12月20日には準決勝の豊島将之九段戦が放映。角換わりの相早繰り銀から豊島にリードを奪われるが、一瞬のスキをついて逆転に成功。寄せでも妙手を見せて制勝した。
そして12月27日には決勝の髙見泰地七段戦が放映。角換わり腰掛け銀から早い段階で藤井がリードを奪い、そのまま差を広げて快勝。銀河戦では2年ぶり2度目の優勝を飾った。
第16回朝日杯将棋オープン戦本戦の組み合わせが発表。藤井は1回戦で阿久津主税八段と対戦する。勝てば永瀬拓矢王座─増田康宏六段戦の勝者と同日に対戦。対局は1月15日に行われる。
第72回NHK杯将棋トーナメントは3回戦で佐藤天彦九段と対戦する。
第1期新銀河戦決勝三番勝負で久保利明九段と対戦。結果はねじり合いを制して藤井が2連勝で優勝。初代王者に輝いた。
12月25日にSUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2022に出場。藤井は西軍代表として第4局に登場し永瀬拓也王座と対戦。矢倉から鋭い攻めを見せて快勝した。団体戦は3勝3敗となり決着はリレー将棋へ。藤井は豊島将之九段と組み、永瀬王座、羽生善治九段のチームと対戦。角換わり腰掛け銀から難解な将棋となったが、終盤で相手に攻めをつながれて敗戦となった。
第2回ABEMA師弟トーナメントが進行中。藤井は師匠の杉本昌隆八段と組んで出場となる。
文=渡部壮大
放送情報
[藤井聡太特集]第28期 銀河戦 決勝トーナメント 1回戦 藤井聡太棋聖 vs 増田康宏六段
放送日時:2023年1月10日(火)10:20~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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