スーパースター同士の王将戦七番勝負は羽生も譲らず激戦になり、第6局へともつれ込んでいる。また、大逆転を続けた朝日杯では4度目の優勝を飾った。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。
2月1日に第81期A級順位戦8回戦で永瀬拓矢王座と対戦。角換わりから先手の永瀬が速攻を仕掛けてペースをつかみ、リードしてからは手厚い指し回しで差を広げられ完敗。リーグ成績は6勝2敗となり、広瀬章人八段と並んだ。最終戦は3月2日に稲葉陽八段(5勝2敗)と対戦する。
2月5日に第48期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局で渡辺明棋王と対戦。角換わり腰掛け銀から双方研究十分の将棋となるが、桂を使った巧みな攻めで先手の藤井がペースをつかむ。良くなってからも好手を重ね、最後は突き放して制勝。まずは開幕戦を制した。
2月9,10日に第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局で羽生善治九段と対戦。角換わりとなり、先手の羽生が手待ちから意表の仕掛けで動く。藤井も対応が難しかったか、2日目に入ってバランスを崩すと、羽生の堅実な指し回しの前に押し切られた。これで七番勝負は2勝2敗に。
2月18日に棋王戦第2局で渡辺棋王と対戦。角換わり腰掛け銀から激しい研究勝負となったが、ペースをつかんだのは藤井。難解な局面が続いたものの、少しずつ形勢をリードしていく。最後は鮮やかな切れ味を見せて2連勝とし、棋王奪取に王手を掛けた。第3局は3月5日に行われる。
2月23日に第16回朝日杯将棋オープン戦準決勝で豊島将之九段と対戦。角換わり腰掛け銀から先手の藤井がペースをつかんだかに見えたが、豊島の踏み込みの前に逆転。その後は正確な指し回しの前に敗勢になるが、最後の最後にドラマが待っていた。藤井玉に詰みが生じ、あと1手で投了とも思える局面だったが、豊島に何か錯覚があったか、さほど難しくない詰みを逃してしまう。藤井は訪れたチャンスを逃さずに逆転勝ちを収めた。
続く決勝では渡辺明名人と対戦。渡辺の雁木に藤井は急戦模様。先に時間を使い切った藤井だが、中盤の強手でペースをつかむ。その後も難しい局面を乗り切って制勝。朝日杯では4度目の優勝を飾った。
2月25、26日に王将戦第5局で羽生九段と対戦。横歩取りから先手の藤井がペースをつかんだが、羽生の猛追の前に形勢は混沌とする。終盤は逆転した局面もあったが、一瞬のスキをついて寄せを決めて制勝。七番勝負を3勝2敗として、防衛まであと1勝とした。第6局は3月11、12日に行われる。
2月5日に第72回NHK杯将棋トーナメント準々決勝の中川大輔八段戦が放映。中川の力戦調の指し回しに難しい戦いが続いたが、終盤で抜け出して制勝した。準決勝では八代弥七段と対戦する。放送はNHKにて3月12日(日)の予定。
文=渡部壮大
放送情報
〔生〕第72期 ALSOK杯王将戦 七番勝負 第6局 藤井聡太王将 vs 羽生善治九段
放送日時:3月11日(土)、12日(日)08:45~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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