名人戦七番勝負が開幕し、八冠を目指す藤井聡太の4月の対局を振り返る!

いよいよ名人戦七番勝負が開幕。開幕2連勝として、史上最年少名人に前進した。そして注目の王座戦も決勝トーナメントの組み合わせが発表された。八冠なるか、2023年度も開幕だ。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。

4月5、6日に第81期名人戦七番勝負第1局で渡辺明名人と対戦。渡辺が意表の角道を止める出だしから力戦模様となるが、うまく仕掛けた藤井が徐々にペースをつかんでいく。最後は手堅くまとめて押し切り、開幕戦を制した。

4月11日に第8期叡王戦五番勝負第1局で菅井竜也八段と対戦。菅井の三間飛車から藤井が端の位を取り、互いに銀冠に組み合う持久戦に。うまく玉を固めてから打開に成功し、菅井の端からの勝負手にも冷静に対応してリードを広げる。最後は差をつけて逃げ切った。こちらも防衛に向けて好スタートを切る。
 
4月23日に叡王戦第2局で菅井八段と対戦。菅井の三間飛車穴熊に藤井は居飛車穴熊。中盤の指し手争いでリードを奪われると、最後は突き放されて完敗。五番勝負は1勝1敗となった。第3局は5月6日に行われる。
 
4月27、28日に名人戦第2局で渡辺名人と対戦。後手の渡辺は第1局に続き、角道を止めて力戦に持ち込む。互いに端を攻め合い、難解な形勢が2日目夜になっても続いたが、形勢が傾いてからは正確な寄せで素早く勝ちを決めた。これで2連勝とし、第3局は5月13、14日に行われる。

第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の挑戦者は佐々木大地七段(2勝2敗)に決定。タイトル戦では初顔合わせとなる。第1局は6月5日に行われる。ベトナム対局で、藤井が海外で対局するのは初。

名人戦七番勝負で開幕2連勝を飾った藤井聡太
名人戦七番勝負で開幕2連勝を飾った藤井聡太


第71期王座戦挑戦者決定トーナメントの組み合わせが発表。藤井は1回戦で中川大輔八段(2勝0敗)と対戦。

第73回NHK杯将棋トーナメントの組み合わせが発表。藤井は2回戦で出口若武六段(7勝1敗)と対戦する。

4月3日に将棋大賞が発表され、藤井は最優秀棋士賞(3回目)、最多勝利賞(5回目)、勝率1位賞(5回目)、名局賞(王将戦七番勝負第2局、羽生善治九段戦)、名局賞特別賞(朝日杯将棋オープン戦、増田康宏六段戦)を受賞した。

ABEMAトーナメント2023はリーダーとして澤田真吾七段、齊藤裕也四段を指名。予選はEリーグに登場し、チーム渡辺(渡辺明名人、佐々木勇気八段、岡部怜央四段)、チーム千田(千田翔太七段、西田拓也五段、藤本渚四段)と予選通過を争う。

文=渡部壮大

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放送情報

第49期 新人王戦 決勝三番勝負 第2局 藤井聡太七段 対 出口若武三段
放送日時:5月30日(火)20:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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