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王座戦、王将戦に続き、永瀬拓矢九段が藤井聡太名人に挑戦する名人戦七番勝負の展望はいかに!?

文化人・その他

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⒞囲碁・将棋チャンネル
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藤井聡太名人に永瀬拓矢九段が挑戦する第83期名人戦七番勝負。王将戦七番勝負に続いての対戦だ。藤井にとっては3連覇を目指すシリーズ、永瀬は初の名人戦登場となる。

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今期のA級順位戦は6勝3敗で永瀬拓矢九段、佐藤天彦九段が並びプレーオフとなった。将棋は佐藤が終盤で勝勢になったものの踏み込みを欠き、永瀬の逆転勝ちとなった。永瀬はA級順位戦の開幕戦で逆転負けした借りを返しての挑戦権獲得となった。

永瀬はこの一年で王座戦、王将戦、名人戦と3棋戦で挑戦権を獲得。各棋戦で上位に顔を出し、充実ぶりを見せている。タイトル戦を戦いながらも調子を崩さないのは、さすがの安定感だ。

昨年の藤井はデビュー以来続いていた年度勝率8割がついにストップ。叡王も失ったが七冠はキープし、年度末にはNHK杯戦も制した。調子はまずまずと言える。これまではタイトル戦で最も持ち時間の長い名人戦七番勝負(9時間二日制)と、最も短い叡王戦五番勝負(4時間チェスクロック)を並行して行ってきたが、今回は名人戦に専念することになる。リターンマッチに望めなかったのは残念だが、持ち時間の差による影響がないのは防衛戦に向けては良い材料と言えるだろう。

名人戦で防衛を目指す藤井聡太
名人戦で防衛を目指す藤井聡太

⒞囲碁・将棋チャンネル

藤井と永瀬のタイトル戦は今回が5回目(結果はいずれも藤井勝ち)。過去の対戦成績は藤井から見て22勝8敗となっている。
 
藤井は先手では角換わりを目指し、後手では2手目△8四歩のスタイルのため、これまでは戦型に関しては相手次第なところがあった。だが、先日の王将戦第5局では棋士になって初めて2手目△3四歩を突き、雁木を目指す。結果は藤井の快勝で、新しい境地に入った。相手からすると対藤井はやってくることが決まっているため、用意の研究をぶつけやすかった。だが、こうなるとカバーする範囲が広がることとなり、これまで以上に厄介だろう。基本的には角換わり、雁木、横歩取りなど、王将戦同様に相居飛車の最新形での戦いとなるだろうが、永瀬が何かしらの秘策を用意してくる可能性はある。
 
過去の番勝負で永瀬はいずれも1勝以下に終わっている。内容は接戦が多いものの、終盤力で藤井が抜け出している印象だ。作戦家の永瀬は王将戦に続くシリーズで、どのような準備をしてくるかが注目だ。

七番勝負は4月9、10日(水、木)に東京都文京区「ホテル椿山荘東京」にて開幕する。最長で6月下旬まで続く長丁場だ。将棋界で最も歴史があり、最も持ち時間の長い名人戦。最高の舞台での戦いぶりに注目したい。

文=渡部壮大

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放送情報【スカパー!】

ALSOK杯 第74期 王将戦 七番勝負 第2局 藤井聡太王将 vs 永瀬拓矢九段
放送日時:3月25日(火)10:20~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくは
こちら

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