王将戦は1勝3敗、棋王戦は1勝2敗と絶体絶命の状況にまで追い込まれたものの、そこから怒涛の5連勝でダブル逆転防衛。また一つ藤井伝説が作られた年度末となった。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。
3月1日にコナミグループ杯第51期棋王戦五番勝負第3局で増田康宏八段と対戦。後手の増田が趣向を見せて、角換わりから後手の早繰り銀へ。強く戦うが、藤井はうまく切り返してペースをつかむ。そのまま一手違いの終盤で押し切るかに見えたが、珍しく終盤で藤井にミスが出る。逆転してからは増田に正確に寄せ切られ、逆転負けとなった。これで五番勝負は1勝2敗でカド番に。
3月5日に第11期叡王戦は本戦準決勝永瀬拓矢九段と対戦。後手の藤井は3三金型角換わりを選択し、互いに固め合う持久戦に。自陣角から局面を動かしにいくものの、永瀬が反撃してペースをつかむ。その後に永瀬に好手が出て差が広がると、粘りも実らず押し切られた。
3月8、9日に第74期ALSOK杯王将戦七番勝負第5局で永瀬拓矢九段と対戦。1勝3敗と追い詰められている藤井は、後手で角道を開けない趣向を見せる。中盤、駒組が進むかに思えたところで、永瀬が目の覚めるような強烈な仕掛けでペースをつかむ。藤井は辛抱を重ねる展開が続くが、徐々に永瀬の攻めが細くなる。正確なしのぎで逆転してからは素早く反撃に移って制勝。七番勝負を2勝3敗とした。
3月15日に棋王戦第4局で増田八段と対戦。相掛かりから先後同型の持久戦となり、互いに自陣に角を打つ展開へ。歩がぶつかってからはお互い非常に手の難しい戦いになるが、抜け出したのは藤井。強く踏み込んでリードを奪うと、最後は詰めろ逃れの詰めろでピッタリ決めた。これで2勝2敗となり決着は第5局へ。
3月18、19日に王将戦第6局で永瀬九段と対戦。角換わりから後手の永瀬が積極的に局面を動かすが、藤井は仕掛けを逆用してペースをつかむ。はっきり優勢となってからは手堅い指し手を重ねていき、逆転のアヤを与えずに押し切って快勝。3勝3敗に追い付き最終第7局へともつれ込んだ。
3月25、26日に王将戦第7局で永瀬九段と対戦。振り駒で先手となったのは藤井。角換わり腰掛け銀から端の位を取り、後手の永瀬が先攻する展開に。永瀬の仕掛けにうまく対応してリードを奪うと、その後は手堅く指し手を重ねてリードを拡大。最後は粘る余地を与えず投了に追い込んだ。七番勝負は1勝3敗から3連勝で大逆転防衛。王将5連覇、通算33期目のタイトル獲得となった。
3月29日に棋王戦第5局で増田八段と対戦。振り駒で藤井が先手となり、増田は一手損角換わりを選ぶ。藤井の早繰り銀に増田は9筋から反撃するが、うまく局面をまとめてペースをつかむ。そして着実に差を拡大し、短手数での快勝となった。王将戦に続き、棋王戦も逆転防衛。4期連続の棋王獲得で、来期は永世棋王の掛かった防衛戦となる。
3月8日に第75回NHK杯将棋トーナメント決勝の増田康宏八段戦が放映。角換わりから後手の藤井は待機する展開に。増田が戦機をとらえて戦いが始まると、堅陣のまま猛攻が続く。秒読みの中早逃げで手を稼ぎながら反撃をすると、一瞬のチャンスをとらえて一気に増田の玉を即詰みに打ち取った。NHK杯は2連覇、3回目の優勝となった。
第84期名人戦七番勝負の挑戦者は糸谷哲郎八段(9勝1敗)に決定。第1局は4月8、9日(水、木)に行われる。
第34期銀河戦本戦ブロックの組み合わせが決定。藤井はEブロックの最終戦で登場。その前には近藤誠也八段、佐藤康光九段らが並んでいる。
第76回NHK杯将棋トーナメントの組み合わせが発表。藤井は2回戦で木村一基九段─勝又清和七段戦の勝者と対戦する。
文=渡部壮大











