藤井聡太七段に"ひふみん"が気になる質問「大学に行きたい?」「うな重はまだ早い?」

写真左から、加藤一二三九段、藤井聡太七段
写真左から、加藤一二三九段、藤井聡太七段

4月27日、28日に千葉・幕張メッセで開催されたイベント「ニコニコ超会議2019」内の企画ブース「超将棋」で、人間を将棋の駒に見立て、巨大な将棋盤でプロ棋士が対局する「超人間将棋」が登場。28日に行われた、加藤一二三九段と木村一基九段の対局の解説に、藤井聡太七段も登壇した。

香川愛生女流三段と佐藤紳哉七段から解説を引き継ぐ形で登場した藤井七段は、佐藤七段から青の法被(はっぴ)を受け取ると、阿部光瑠六段と共に解説をスタート。少し緊張した面持ちの中、最初の状況解説で加藤九段が押している状態だということをやんわりと伝えると、「もっとはっきり言っていいよ」と対局中の木村九段から言われ、将棋界の先輩からの指摘に苦笑いする一幕も。

しかし、それ以降は対局の流れを的確に解説し、藤井七段の読み通りに対局が進んだ。途中、阿部六段に替わり香川女流三段が再び登場。現状の局面について「加藤九段の攻め、木村九段の受けと、両者の持ち味が存分に出た展開」と解説した藤井七段は、香川女流三段から人間将棋の経験について聞かれると「生で見るのは初めてです。迫力ありますね」と笑顔で答えた。

後半になり、2人の攻めが逆転すると「将棋は弱気になってはいけない」と独り言が多くなった加藤九段が挽回を図るも、木村九段の勝利で対局を終えた。加藤九段の投了直後、藤井七段が長手数の詰め筋をよどみなく解説。詰将棋解答選手権5連覇の実力の一端を見た会場からは、大きな拍手が送られた。

その後、加藤九段と藤井七段の対談が実現。令和時代の将棋界について聞かれた藤井七段は「渡辺明二冠と豊島将之二冠というタイトルホルダーが出てきて、しばらく2人の時代になると思いますが、自分もタイトル戦に出場できるように頑張りたいです」と意気込みを語った。

さらに、「これまで明治、大正、昭和、平成生まれの棋士と対戦されましたが、令和生まれの棋士と対戦したい気持ちはありますか?」と、加藤九段に率直に質問。一瞬「え!?」と驚いた表情を見せた加藤九段だったが「令和生まれが最短の14歳で棋士になるとして...その頃は私、なかなか大変ですよ」と、切り返して会場の笑いを誘った。

将棋界を生き抜く上で「トップ棋士と対戦する機会もあるが、大局観といわれる部分、全体を見て正確に判断する力で、まだ差があると思いました」と、タイトル獲得に必要なものを自己分析した藤井七段は「盤上において最善を追求する気持ちが大切。それを忘れずに上を目指したい」と、強い決意をにじませた。これに対し、加藤九段は「藤井さんの将棋は、肉を切らせて骨を断つという将棋の歴史上、最も厳しい戦い方」と分析し、「置かれた立場で花を咲かせる意識が大切」とアドバイスを送った。

一方、プライベートの話になると、学業との両立について「時間的な制約はありますが、高校に行ったことで学業と将棋のどちらにも良い影響があるので、そういうところを生かしながらやりたい」と答え、将棋に行き詰まった時に学校生活が息抜きになっていることも告白。加藤九段から「大学に行きたいでしょ?」と質問され、「まだ何とも。具体的に考える時期ではないので、これからゆっくり考えたい」と打ち明けた。

ハマっているものについて、藤井が「叡王戦に注目しています」と答えたのに対し、加藤九段は「『ラブ・ストーリーは突然に』を家で練習して、うまくなって歌いたいです」と会場を笑わせた。さらに「勝負メシ」についても言及。加藤九段が「昼も夜も勝負メシには、うな重を食べていた。私はもう卒業しましたが、うな重はまだ早いよね?」と問い掛けると、藤井七段は「まだ頼んだことはないですけど、いつか頼んでみたい」と答えた。

対談後には、「令和」に向けた目標を発表した2人。色紙に「力」と書いた加藤九段は、10年くらい前の旅行で元気が回復したことを明かし、「力が大切で、それがあればどんなことでも達成できる」と持論を展開。一方、「志」とつづった藤井七段は「ずっと強くなりたい気持ちがある。そういった気持ちを忘れないようにしたい」と力強く宣言。2人とも朗らかな笑顔で会場を後にした。

文=永田正雄



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放送情報

第27期 銀河戦 本戦Eブロック 7回戦 近藤誠也五段 vs 藤井聡太七段
放送日時:2019年5月20日(月)23:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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