藤井聡太七段、令和も初のタイトルを目指して手に汗握る対局が続く

平成が終わって令和が始まり、さらなる活躍が期待される藤井聡太七段。そんな新時代の棋士の4月末から現在までの対局やニュースを振り返る。「第32期竜王戦」はランキング戦4組に参加。決勝進出の時点で昇級が決まっているので、3期連続の昇級が確定している。4組決勝では過去2戦2敗の菅井竜也七段と対戦。後手・菅井七段の力戦三間飛車から持久戦となり、ねじり合いが続いたが終盤で千日手となった。

■藤井七段が千日手からの指し直し局を制する

指し直し局は菅井七段の先手中飛車に藤井七段の急戦。残り時間が少ない指し直し局だったが、藤井七段が会心の指し回しで圧倒。3年連続の決勝トーナメント進出を決めた。決勝トーナメントでは梶浦宏孝四段(2勝0敗)(※)と近藤誠也六段(3勝1敗)の勝者と対戦する(※対局予定棋士との対戦成績は藤井七段から見た勝敗)。「第45期棋王戦」は予選から参加。予選準決勝の牧野光則五段には一手損角換わりの力戦で競り勝った。しかし、次に対戦した都成竜馬五段戦に敗れる。藤井七段の5連勝中だったが、この日は都成用意の相掛かりに完敗となり、3期連続の決勝トーナメント進出はならなかった。

「第69期大阪王将杯王将戦」は一次予選から参加。北浜健介八段との対戦では、中飛車を急戦から鋭い終盤で決めた。一次予選決勝では千田翔太七段(1勝0敗)と対戦する。両者とも居飛車党のため、角換わりか相掛かりの戦いが予想される。勝てば二次予選に進出だ。「第27期銀河戦」Eブロック9回戦では、行方尚史八段に相居飛車で速攻を掛けて快勝。すでにブロック最多連勝者として決勝トーナメント進出は決まっているが、連勝を5に伸ばした。次戦は阿久津主税八段(初手合)と対戦。その模様は6月25日(火)に囲碁・将棋チャンネルで放送される。

■藤井七段が前期昇級を逃した昇級を再び目指す

そして「第78期順位戦」の組み合わせが発表された。前期昇級を逃した藤井七段は今期もC級1組に参加。1回戦から順に、村田顕弘六段(2勝0敗)、堀口一史座七段(初手合)、金井恒太六段(1勝0敗)、高橋道雄九段(初手合)、宮本広志五段(2勝0敗)、青嶋未来五段(1勝0敗)、船江恒平六段(1勝0敗)、小林裕士七段(3勝0敗)、高野秀行六段(※「高」は正しくは「はしご高」)(初手合)、真田圭一八段(初手合)と対戦していく。C級1組は36人が参加し、上位2人(同星の場合は前年度の成績の順位上位者が優先)がB級2組へと昇級する。前年度が3位の藤井七段は8~9勝が昇級ラインとなる可能性が高い。

前期ベスト4のため「第67期王座戦」は挑戦者決定トーナメントから登場。初戦で佐々木大地五段と対戦するも敗れ、2年連続の8強入りはならなかった。さらに「第91期ヒューリック杯棋聖戦」の一次予選組み合わせも発表された。藤井七段も一次予選からの参加で、初戦はシードとなり、2回戦で東和男八段(初手合)と対戦する。ほかに「第40回将棋日本シリーズ」の出場も決まっており、8月に三浦弘行九段(初手合)と福岡国際センターで公開対局の予定。今期も8割を超える勝率を誇る藤井七段。初のタイトルを目指し、今後も重要な対局が続く。

文=渡部壮大



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放送情報

第69期 大阪王将杯王将戦 一次予選決勝 藤井聡太七段 vs 千田翔太七段
放送日時:2019年6月22日(土)9:35~、14:00~ ※生中継
第27期 銀河戦 本戦Eブロック 10回戦 阿久津主税八段 vs 藤井聡太七段
放送日時:2019年6月25日(火)20:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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