6月も順調に白星を積み重ねていった藤井聡太七段。6月頭にタイトル初挑戦が期待された王座戦本戦で敗れてしまったものの、その後は連勝でまとめた。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績
■最年少タイトル獲得を目指して対局が続く
前期ベスト4のため、第67期王座戦は本戦トーナメントからの登場。6月3日に佐々木大地五段と1回戦を戦った。相掛かりから難解な戦いとなり、双方一分将棋の終盤となったが、藤井にミスが出て佐々木が抜け出す。その後佐々木にもミスが出るが、際どく逆転には至らず敗戦。
6月22日には第69期大阪王将杯王将戦一次予選決勝で千田翔太七段と対戦。珍しく先手番で矢倉を採用。相矢倉の持久戦となり、脇システムと呼ばれる形へ。千田の趣向をとがめ、攻め合いで圧倒。自身初となる二次予選進出を決めた。二次予選では佐藤康光九段(初手合)と対戦。トップ棋士であり、将棋連盟会長の佐藤とは初手合だが、非公式戦ではAbemaTVの炎の七番勝負で対戦しており、藤井が快勝している。二次予選は3連勝すれば全棋士中7人しか入れない挑戦者決定リーグに進出する。
第32期竜王戦はデビューから3期連続でランキング戦優勝、決勝トーナメント進出。6月28日に近藤誠也六段と対戦し、角換わりで玉頭から鋭い反撃を決めて制勝。7月5日に行われた次戦では久保利明九段を破った。豊島将之名人(王位・棋聖)、渡辺明二冠(棋王・王将)と豪華な1組の棋士2連戦を勝ち抜ければ挑戦者決定三番勝負に進むことができる。厚い壁を破ることができるか。
第5期叡王戦予選の組み合わせも決定。藤井は七段予選に入り、1戦少ない得クジを引く。2回戦では豊川孝弘八段(3勝)か村山慈明七段(初手合)と対戦する。3勝すれば本戦に進出。
■ヒューリック杯棋聖戦、銀河戦などの棋戦にも注目
6月11日には第91期ヒューリック杯棋聖戦一次予選の対局。初戦で東和男八段に相居飛車の力戦で快勝。同日午後に行われた伊奈祐介六段との対局は相掛かり模様の将棋で、難しい中盤をまとめて制勝し、予選決勝へと駒を進めた。一次予選決勝では平藤眞吾七段(3勝)か竹内雄悟五段(4勝)と対戦する。勝てば二次予選に進出。
第78期順位戦C級1組は6月18日に開幕。1回戦は村田顕弘六段と対戦。ひねり飛車を迎え撃つ形となり、難解な戦いが続いたが最後は藤井が抜け出して白星発進となった。昇級枠は36人中2枠しかないが、まずは好スタート。2回戦は7月2日に行われ、堀口一史座七段と対戦。勝利を収めた。
第27期銀河戦Eブロック10回戦の阿久津主税八段戦では、阿久津の阪田流向かい飛車に自然に対応。端からのカウンターを決めて快勝とし、連勝を6に伸ばした。ブロック最終戦では豊島名人と対戦する(1敗)。こちらの対局は7月23日(火)に囲碁・将棋チャンネルで放映予定。なお、藤井はすでに最多連勝は確定させており、結果に関わらず決勝トーナメントに進出する。
第40回将棋日本シリーズの出場も決まっており、8月11日(日)に三浦弘行九段(初手合)と福岡市「福岡国際センター」で公開対局の予定。第69回NHK杯将棋トーナメント1回戦の阪口悟五段(2勝)との対局は8月以降に放映予定である。
今後も藤井聡太七段の活躍から目が離せない。
文=渡部壮大
放送情報
第27期 銀河戦 本戦Eブロック 9回戦 行方尚史八段 vs 藤井聡太七段
放送日時:2019年7月15日(月)23:00~
第27期 銀河戦 本戦Eブロック 最終戦 豊島将之名人vs藤井聡太七段
放送日時:2019年7月23日(火)13:00~
※ほか、7月19日(金)は「誕生日記念藤井聡太アワー」と題して藤井聡太を特集
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
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