14歳でプロデビューを果たした藤井聡太七段もこの7月で17歳となった。対局に取材に学校にと多忙を極めているが、これからの1年には史上最年少タイトルの期待が懸かる。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績
■竜王戦で敗退するも、大阪王将杯王将戦では制勝
第32期竜王戦は決勝トーナメントを勝ち上がり7月5日に久保利明九段と対戦。久保の中飛車に藤井は急戦。藤井が押し気味に進めていたものの、久保の頑強な粘りにあって形勢は混沌。最後は逆転して藤井玉に詰み筋があったものの、双方1分将棋の中、辛くも藤井が逃げ切った。
続く7月23日には豊島将之名人と対戦。角換わり腰掛け銀の最新形で、双方一進一退の熱戦となるが、終盤で競り負けて敗退。これにより2019年中のタイトル獲得の可能性は消滅した。
7月18日に第69期大阪王将杯王将戦二次予選で将棋連盟会長でもある佐藤康光九段と対戦。佐藤の誘導で力戦となり、難解なねじり合いとなった。双方1分将棋の終盤が続いたが、最後は藤井が抜け出して制勝。挑戦者決定リーグまであと2勝とした。次戦は中村太地七段(初手合)と対戦する。
第91期ヒューリック杯棋聖戦一次予選は7月の進行なし。一次予選決勝では平藤眞吾七段(3勝)か竹内雄悟五段(4勝)と対戦し、勝てば二次予選に進出する。
第5期叡王戦も7月は進行なし。七段予選に出場し、1回戦はシードで、2回戦では豊川孝弘七段(3勝)か村山慈明七段(初手合)と8月29日(木)に対戦。3勝すれば本戦に進出する。
第61期王位戦予選の組み合わせも決定。藤井は初戦シードで、2回戦で竹内雄悟五段と対戦する。
■順位戦、銀河戦など見逃せない熱戦が続く
第78期順位戦C級1組は6月の開幕戦で勝利。2回戦は7月2日に堀口一史座七段と対戦し、藤井が角換わりから快勝した。8月6日に行われた3回戦では金井恒太六段(1勝)と対戦し、勝利。3連勝を飾った。
第2回AbemaTV杯トーナメント(非公式戦)に前回優勝者として本戦から登場。7月7日、14日、21日に藤井の登場回が続けて放映された。1回戦では増田康宏六段に2連勝、準決勝では木村一基九段に2勝1敗、決勝では糸谷哲郎八段に2勝1敗で優勝し連覇を達成。超早指しでも安定した強さを見せつけることとなった。
7月23日には第27期銀河戦Eブロック最終戦の豊島名人戦が放映された。相掛かりから難解な中盤戦となったが、最後は豊島が抜け出して制勝。敗れはしたが、藤井もブロック最多連勝者として、最終勝ち残り者の豊島名人とともに決勝トーナメント進出。決勝トーナメントでは久保九段(1勝1敗)と対戦する。こちらの対局は8月22日(木)に放映予定。
8月11日には第40回将棋日本シリーズで三浦弘行九段(初手合)と福岡市「福岡国際センター」で公開対局するなど、対局が続く。この夏も藤井聡太七段に注目だ。
文=渡部壮大
放送情報
第27期 銀河戦 決勝トーナメント 1回戦 第6局 久保利明九段 VS 藤井聡太七段
放送日時:2019年8月22日(木)20:00~ほか
(生放送)第69期 大阪王将杯 王将戦 二次予選 中村太地七段 VS 藤井聡太七段
放送日時:2019年8月26日(月)9:58~ほか
※対局終了まで延長放送
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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