1974年に将棋界に女流棋士が誕生してから今年で45年。当初はわずか6名、タイトルも女流名人位の1つしかなかったが、現在は現役棋士だけで60名を超え、タイトルも7つにまで増えた。現在は男性棋士と互角に渡り合う女流棋士も登場し、初の外国籍の女流棋士も誕生するなど、話題も豊富である。棋力、人気ともに飛躍的な成長を遂げ、今や将棋界に欠かせない存在だ。
そんな女流棋士が一堂に会すパーティーが5年に1度開かれている。今年は女流棋士発足45周年記念パーティーとして、6月16日に渋谷の「セルリアンタワー東急ホテル」で行われ、約500人のファン、関係者を集めて盛大に開催された。
次の一手名人戦として上田初美女流四段&室田伊緒女流二段チームと、伊藤沙恵女流三段&石本さくら女流初段チームのペア将棋が行われた。解説と聞き手も順次交代で行われ、斎藤慎太郎王座と西山朋佳女王コンビ、広瀬章人竜王と谷口由紀女流二段、羽生善治九段と里見香奈女流五冠コンビなどの解説も行われた。さすがの里見女流五冠も、羽生九段相手の聞き手は緊張している様子。次の一手名人戦はデッドヒートになり、決着がなかなか着かず最後は1手毎に出題することとなった。対局の結果は四間飛車に振った伊藤&石本ペアが熱戦を制した。
女流棋士検定クイズは渡辺明三冠と本田小百合女流三段の司会で行われ、「竹部さゆり女流四段がびっくりした新戦法は?」などの難問も出された。正解は「びっくりした新戦法はない」とのことで、独創的な戦法を数多く指す竹部女流四段にとって、特に驚くことは無いようだ
アルバム方式のメモリアルも。女流棋士創設時から、現代に至るまでのさまざまな写真とともに、女流棋士の歴史を振り返っていった。また、豊島将之名人、佐藤天彦九段、つるの剛士、伊藤かりんからもメッセージが贈られた。
最後に女流棋士として初の将棋連盟常務理事となった清水市代女流六段が「全国のファンの皆さま、スポンサーの皆さまのおかげで女流棋士は45周年を無事に迎えることができました。個性あふれる女流棋士がこれからも盤上、盤外で思う存分に活躍して参りますのでどうぞご期待ください。令和の時代もよろしくお願いいたします」と挨拶した。
次回は5年後。50周年として、これまで以上に盛大な会として開催されることだろう。
文=渡部壮大
放送情報
女流棋士発足45周年記念パーティー
放送日時:2019年8月24日(土)20:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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