藤井聡太七段 注目を集めた11月の対局を振り返る

藤井聡太七段
藤井聡太七段

藤井聡太七段が史上最年少タイトル挑戦なるかで注目を集めた今期の王将戦挑戦者決定リーグ。藤井は最後まで挑戦争いに加わったが、惜しくも敗れてしまった。それでもトップ棋士を相手に素晴らしい内容、結果を出し大舞台への登場が近いことを予感させた。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

■第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグで健闘

11月14日に第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグで久保利明九段と対戦。藤井はここまで3勝1敗で、勝てば最終戦に挑戦権を懸けることとなる。久保の四間飛車に藤井は持久戦志向。穴熊を目指した瞬間に久保が動いて戦いが始まる。徐々にリードを広げ、優位を築く。久保も必死に粘ったものの、藤井が的確な指し回しで押し切り、リーグ4勝目をあげた。過去1勝3敗と苦戦を強いられていた久保を内容でも圧倒。

続く11月19日は最終一斉対局で広瀬章人竜王と対戦。ともに4勝1敗で、勝った方が挑戦者となる大一番だ。先手の藤井は矢倉を志向。昭和の時代からあるような、懐かしい形となった。先に藤井がペースをつかむが、方向性を誤り混戦に。形勢は難解ながら、消費時間に大きく差がついてしまう。それでも1分将棋の中、勝負手を連発。逆転に成功した。藤井が勝ちに近付いたかに見えたが、最後の王手への対応を誤り再逆転。即詰みに討ち取られてしまった。

藤井は4勝2敗でリーグ残留となった。他に豊島将之名人、羽生善治九段も残留を決めており、来期も熱い戦いが繰り広げられることだろう。

トップ棋士との対局に注目が集まった藤井聡太七段

(C)囲碁・将棋チャンネル

■第78期順位戦、第91期ヒューリック杯棋聖戦では快勝

11月5日に第78期順位戦C級1組6回戦で青嶋未来五段と対戦。藤井が珍しく先手番で矢倉を選択すると、後手の青嶋は急戦に出る。青嶋の仕掛けがやや軽く、藤井は的確に反撃。あっという間に差を広げ、快勝で6連勝と星を伸ばした。ただし他に佐々木勇気七段、石井健太郎五段も6連勝のため、1敗でもすると昇級できない可能性がある。

11月8日に第91期ヒューリック杯棋聖戦二次予選で阿部隆八段と対戦。角換わり腰掛け銀で仕掛けからリードを奪うと、そのまま押し切って完勝。次戦は北浜健介八段(3勝0敗)と対戦する。あと2勝すれば自身初の決勝トーナメント進出。

第61期王位戦予選は進行なし。次の予選準決勝は出口若武四段(2勝0敗)と対戦する。第33期竜王戦の組み合わせが決定。今期の藤井はランキング戦3組に出場し、初戦は畠山鎮八段(2勝0敗)と対戦。過去ランキング戦では負けなしで、4期連続の決勝トーナメント出場を目指す。第68期王座戦は一次予選はシードのため、二次予選から登場する。

第28期銀河戦は前期決勝トーナメント進出のため予選はシード。今期は本戦Cブロック6回戦から登場する。その手前には大橋貴洸六段や阿部光瑠六段ら若手強豪が控えている。第13回朝日杯将棋オープン戦は1月に始まる本戦から登場で、今期は3連覇を目指す戦いとなる。

そして12月8日(日)には「囲碁・将棋チャンネルPRESENTS将棋プレミアムフェスin名古屋2019」に登場。都成竜馬六段との特別対局を行い、囲碁・将棋チャンネルや将棋プレミアムで生放送される。こちらも楽しみだ。

文=渡部壮大

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放送情報

【藤井聡太DAY】(生放送)囲碁・将棋チャンネルPRESENTS将棋プレミアムフェスin名古屋2019
放送日時:2019年12月8日(日)15:00~(番組途中中断あり)
※12月8日(日)8:00〜20:00まで「藤井聡太DAY」を放送。2019年の藤井七段の対局を一挙放送で振り返る
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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