タイトル挑戦の大一番に敗れ、再び挑戦者を目指しての戦いが始まった12月の藤井聡太七段。白星を重ねて、王将戦に続くリーグ入りを決めている。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績
■第61期王位戦で挑戦者決定リーグ進出
12月3日に第78期順位戦C級1組7回戦で船江恒平六段と対戦。相掛かりから難解な戦いとなったが、終盤に抜け出したのは藤井。最後は大差をつけて押し切った。これで順位戦は7連勝。同じく6連勝と星を伸ばしていた佐々木勇気七段、石井健太郎五段が敗れたため全勝は藤井1人に。1敗で4人が追う展開だが、その中での順位は藤井が最上位のため、昇級に大きく近付いた。残り3戦で2勝すればB級2組へ昇級が確定する。8回戦は1月16日(木)に小林裕士七段(3勝0敗)と対戦。
12月10日に第91期ヒューリック杯棋聖戦二次予選で北浜健介八段と対戦。北浜の先手中飛車に藤井は急戦。金を攻めに繰り出す珍しい展開となったが、その金を使って敵陣を食い破り優勢に。最後は的確に局面をまとめて押し切った。二次予選決勝では澤田真吾六段(3勝0敗)と対戦する。勝てば初の決勝トーナメント進出。
12月17日に第61期王位戦予選で出口若武四段と対戦。角換わり腰掛け銀からの激しい寄せ合いを持ち前の深い読みで抜け出して快勝となった。これで予選決勝に進出。
続く12月27日には予選決勝で斎藤慎太郎七段と対戦。角換わり腰掛け銀から先手の藤井がペースをつかむものの、斎藤も食らいついて混戦に。終盤は双方一分将棋の競り合いとなるが、最後まで崩れなかった藤井が逃げ切って制勝。初の挑戦者決定リーグ進出を決めた。
王位戦の挑戦者決定リーグは前期残留組4人と今期の予選通過者8人を紅白2つのリーグに分け、それぞれのリーグ優勝者が挑戦者決定戦を戦う。タイトル保持者は木村一基王位。
12月8日には恒例となっている将棋プレミアムフェスin名古屋に出演。特別対局では都成竜馬六段に快勝し、地元のイベントで3年連続の勝利を飾った。
■竜王戦、王座戦など1月以降の対局にも注目
第33期竜王戦は初戦で畠山鎮八段(2勝0敗)と対戦。過去ランキング戦では負けなしで、4期連続の決勝トーナメント出場を目指す。
第68期王座戦二次予選の組み合わせが決定。初戦はシードで、2回戦で阿部隆八段─村山慈明七段戦の勝者と対戦する。2勝すれば決勝トーナメントに進出。
第46期棋王戦予選の組み合わせも決定。初戦で今泉健司四段(1勝1敗)と対戦する。
第28期銀河戦は前期決勝トーナメント進出のため予選はシード。今期は本戦Cブロック6回戦から登場する。
3連覇を狙う第13回朝日杯将棋オープン戦本戦の組み合わせも決定。初戦は菅井竜也七段(1勝2敗)と対戦する。1月19日(日)に名古屋で公開対局を行い、勝つと同日に三浦弘行九段─斎藤慎太郎七段戦の勝者と2回戦を戦う。藤井聡太七段の2020年の活躍にも注目だ。
文=渡部壮大
放送情報
藤井聡太~王将戦挑戦者決定リーグ戦を振り返る~
放送日時:2020年1月10日(金) 23:36~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
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