好調の藤井聡太七段 順位戦昇級&棋聖戦決勝トーナメント進出を決める

藤井聡太七段
藤井聡太七段

前期は惜しくも昇級を逃した順位戦だが、今期は9連勝で昇級を決めた。王位リーグ、棋聖戦決勝トーナメントと、楽しみな季節となりそうだ。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

■第78期順位戦で9連勝、昇級を決める

1月16日に第78期順位戦C級1組8回戦で小林裕士七段と対戦。小林の一手損角換わりに藤井は早繰り銀。終始形勢をリードし、最後は大差を付けて投了に追い込んだ。2月4日には9回戦で高野秀行六段と対戦し、勝利。これで藤井は9連勝、B級2組への昇級が決まった。

1月19日には第13回朝日杯将棋オープン戦本戦の公開対局(名古屋)に登場し、菅井竜也七段(当時)と対戦。菅井の中飛車穴熊に藤井は急戦を仕掛ける。玉が薄く秒読みの中では大変と思われたが、持ち前の受けで崩れず。最後は攻めを余して難戦を乗り切った。続く2回戦では斎藤慎太郎七段と対戦。角換わり腰掛け銀から長い中盤戦となる。先にミスが出たのは斎藤で、すかさず藤井がリードを奪う。良くなってからは着実に差を広げ、最後は鮮やかに決めた。

これで準決勝進出となり3連覇まであと2つ。2月11日(火)に行われる準決勝では千田翔太七段(2勝0敗)と対戦する。勝てば同日に永瀬拓矢二冠─阿久津主税八段戦の勝者と決勝を行う。

第91期棋聖戦で初の決勝トーナメント進出を果たした藤井聡太七段

■第91期棋聖戦二次予選、第46期棋王戦予選でも白星

1月24日には第33期竜王戦ランキング戦3組で畠山鎮八段と対戦。角換わり腰掛け銀から際どい切り合いとなったが、先に抜け出したのは藤井。リードすると緩まず押し切って快勝。次戦は高橋道雄九段(1勝0敗)と対戦する。

1月28日には第91期棋聖戦二次予選で澤田真吾六段と対戦。角換わり腰掛け銀から中盤で大長考の応酬となるが、読み勝ったのは藤井。大技を掛けて一気に押し切った。これで初の決勝トーナメント進出で、挑戦権まではあと4勝となる。なお、史上最年少タイトル挑戦の可能性を残しているのはこの棋聖戦のみだ。

1月31日には第46期棋王戦予選で今泉健司四段と対戦。今泉の三間飛車から、お互いに銀冠に組む長期戦となった。先手の藤井は千日手を打開するものの、苦戦に陥る。時間も切迫するが決め手を与えない指し回しを続け、徐々に形勢は接近。逆転してからは手堅い指し回しで突き放して制勝した。次戦は出口若武四段(3勝0敗)と対戦する。

第61期王位戦挑戦者決定リーグの組み合わせが決定、藤井は白組に入った。同じ組は羽生善治九段(2勝0敗)、菅井竜也八段(2勝2敗)、稲葉陽八段(1勝1敗)、阿部健治郎七段(1勝0敗)、上村亘五段(0勝1敗)となった。リーグで優勝すると紅組の優勝者と挑戦者決定戦を戦うことになる。タイトルホルダーは木村一基王位。

第68期王座戦二次予選の組み合わせも決定。初戦はシードで、2回戦で阿部隆八段(2勝0敗)と対戦する。2勝すれば決勝トーナメントに進出。

第28期銀河戦は前期決勝トーナメント進出のため予選はシード。今期は本戦Cブロック6回戦から登場し、3月3日(火)ほかに囲碁将棋チャンネルで放映される。

文=渡部壮大

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放送情報

(将棋)第28期 銀河戦 本戦Cブロック 6回戦 藤井聡太七段 vs 出口若武四段
放送日時:2020年3月3日(火) 20:00~ほか
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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