快進撃が続く藤井聡太七段 史上最年少でのタイトル挑戦に熱視線

藤井聡太七段
藤井聡太七段

緊急事態宣言が解除され、藤井聡太七段の対局も再開。棋聖戦では史上最年少でのタイトル挑戦も決め、藤井フィーバーも再開されようとしている。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

■棋聖戦五番勝負が開幕、初陣を飾る

6月2日に第91期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント準決勝で佐藤天彦九段と対戦。先手となった藤井は角換わり腰掛け銀を選択。中盤に激しい攻め合いとなるが、藤井が徐々に抜け出す。リードを奪うと緩急をつけた指し回しで突き放し、最後は一気に決めた。

続く6月4日には挑戦者決定戦で永瀬拓矢二冠(叡王・王座)と対戦。後手番の相掛かりから少し苦しい戦いを強いられるが、さすがの大局観で差を広げさせない。そしてチャンスをとらえると一気に逆転。終盤は際どい一手争いとなったが、的確な寄せで押し切り、史上最年少でのタイトル挑戦を決めた。

そして6月8日に棋聖戦五番勝負が開幕。相手は現在八冠のうち最多の三冠を有する渡辺明棋聖(棋王・王将)。先手となった藤井は矢倉を採用。ガッチリ組み合う脇システムの定跡形から、相矢倉らしい盤面全体を使っての戦いとなった。形勢が微妙に揺れ動く大熱戦となったが、最終的に抜け出したのは藤井。自玉もかなり危険な状態だったが詰みなしと見切って渡辺玉を受けなしに追い込み、渡辺の王手ラッシュをかわして見事に初陣を飾った。これで五番勝負は1勝0敗。第2局は6月28日に行われる。

タイトル挑戦を決め、注目を集める藤井聡太七段

■注目の対局が目白押し

6月10日には第68期王座戦二次予選決勝で大橋貴洸六段と対戦。先の棋聖戦3連戦は東京だったが、今度は大阪に移動しての対局とかなりの過密日程だ。大橋の誘導で戦型は横歩取りへ。序盤から大長考を重ね、押し気味に進めていたが終盤珍しく藤井にミスが出る。大橋に好手順が生じ、一気に形勢を苦しくした。最後まで諦めずに勝負を掛けるが時間切迫もありチャンスをつかみきれず敗戦。2020年度初の黒星で、連勝は10で止まった。

6月13日には第61期王位戦挑戦者決定リーグ白組5回戦で阿部健治郎七段と対戦。角換わりから、前例の少ない乱戦に突入。神経を使う戦いだったが、うまくバランスを保った藤井がリード。そのまま短手数の快勝となった。藤井は5戦全勝で白組優勝。同じく5戦全勝で紅組を優勝した永瀬拓矢二冠と挑戦者決定戦を戦うことになった。棋聖戦に続いて大一番の顔合わせである。対局は6月23日の予定。

第33期竜王戦ランキング戦3組決勝では杉本昌隆八段(1勝0敗)と師弟対決となる。勝者が決勝トーナメント進出となる大一番だ。対局は6月20日の予定。

第79期順位戦B級2組の1回戦では佐々木勇気七段(0勝1敗)と対戦。対局は6月25日の予定。

第28期銀河戦本戦Cブロック9回戦では郷田真隆九段(初手合)と対戦。この模様は6月23日(火)に囲碁・将棋チャンネルにて放送される。

第70回NHK杯将棋トーナメント、藤井は予選はシードで本戦からの登場になっている。1回戦は塚田泰明九段(初手合)と対戦。

第41回将棋日本シリーズにも出場。1回戦では菅井竜也八段(4勝2敗)と対戦する。

第3回AbemaTVトーナメントは永瀬拓矢二冠、増田康宏六段と3人で団体戦に臨む。14日の放送では広瀬章人八段、黒沢怜生五段、青嶋未来五段のチームと対戦。藤井は中堅で出場し、広瀬八段と対戦。藤井は0勝2敗、チームの総合成績は3勝5敗となった。21日には羽生善治九段、鈴木大介九段、三枚堂達也七段のチームと対戦が放送される予定である。

今後も藤井七段の活躍から目が離せない。

※タイトル・段位は対局当時のものです。

文=渡部壮大

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放送情報

第28期 銀河戦 本戦Cブロック 9回戦 郷田真隆九段 vs 藤井聡太七段
放送日時:2020年6月23日(火) 20:00~ほか
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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