強さが光る藤井聡太二冠、高校生二冠&昇段を経てさらなる高みへ

棋聖に続き、王位も奪取し高校生二冠となった藤井聡太二冠。同時に八段にも昇段(タイトル2期により)。どちらも藤井の強さが光るシリーズで、番勝負で負ける姿が想像できないレベルだ。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

■第61期王位戦七番勝負で4連勝

8月4、5日に第61期王位戦七番勝負第3局で木村一基王位と対戦。矢倉から藤井が攻め、木村が受けて長い中盤戦になった。好調な攻めで藤井が押し気味に進めていたが最終盤で一失。一瞬ピンチを迎えたが木村もミスをとがめきれず再逆転。藤井が開幕から一気の3連勝で二冠まであと1勝とした。

8月19、20日に王位戦七番勝負第4局で木村王位と対戦。第2局に続き先手の木村が相掛かりを選択。難解な中盤だったが、藤井の封じ手が強手で、それを境にペースをつかむ。徐々にリードを広げ、そのまま押し切った。これで4連勝で王位を奪取。棋聖獲得からわずか1ヶ月で二冠目を獲得した。

第61期王位戦七番勝負に注目が集まった藤井聡太二冠

■NHK杯将棋トーナメントでは初戦突破

第70回NHK杯将棋トーナメント1回戦では塚田泰明九段と対戦。矢倉から塚田に押され気味の展開となるが、うまくチャンスをとらえて逆転し、初戦突破となった。2回戦では木村一基九段(4勝0敗)と対戦する。

第3回AbemaTVトーナメントの決勝トーナメントは永瀬拓矢二冠、増田康宏六段とのチームで出場。8月8日の準決勝では佐藤康光九段、森内俊之九段、谷川浩司九段のレジェンドチームと対戦。藤井は森内に敗れたものの2勝1敗、チームも5勝3敗で決勝進出を決めた。

8月22日の決勝は渡辺明名人、近藤誠也七段、石井健太郎六段の所司一門チームと対戦。藤井は2連勝、チームも5勝0敗と大勝。予選の1回戦を敗れたところからの全勝で優勝を決めた。藤井は個人戦だった第1回、第2回と合わせて3連覇を達成。長時間だけでなく、超早指しでの強さも健在だ。

第28期銀河戦はCブロック10回戦の稲葉陽八段戦が9月1日に放送された。角換わりから相早繰り銀に。早指しらしく形勢の揺れ動く戦いとなるが、受けの強さを見せて制勝。これでブロック5連勝となり決勝トーナメント進出が決まった。

第79期順位戦B級2組は開幕から3連勝。9月9日の4回戦では谷川浩司九段(1勝0敗)と対戦する。

第41回日本シリーズは1回戦を突破。2回戦は豊島将之竜王 (0勝4敗)との対戦で、9月12日に行われる予定。

第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦のメンバーも決定。藤井は前期残留のため、ここから登場。順位が上から1:広瀬章人八段、2:豊島将之竜王、3:藤井聡太二冠、3:羽生善治九段、5:永瀬拓矢二冠、5:木村一基九段、5:佐藤天彦九段。総当たりで6局を行い、1位が渡辺明王将との七番勝負を行う。トップ棋士がずらりと並んだ豪華なリーグ戦。昨年は4勝2敗で惜しくもタイトル初挑戦権に届かなかったが、今年は挑戦候補の本命として三冠目を狙う。

文=渡部壮大

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放送情報

王将リーグ振り返り 藤井聡太特集 第69期 大阪王将杯王将戦 挑戦者決定リーグ戦 糸谷哲郎八段 vs 藤井聡太七段
放送日時:2020年9月13日(日) 14:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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