ラジオ番組「くにまるジャパン 極」(文化放送)のパーソナリティとして、平日朝から昼まで生放送をしている野村邦丸さん。ラジオひとすじ40年、自然体のトークで親しまれている。そんな邦丸さんも収録後の時間や週末には自宅でスカパー!の番組を楽しんでいるという。
「野球が好きで、この時期はやっぱりナイター中継。ジャイアンツのファンなんですよ。夜、つまみとハイボールを用意してテレビの前に座りますが、菅野智之と中日・大野雄大の投げ合いなどで接戦になってくると疲れちゃう。僕は縁起を担ぐ方で(笑)。巨人の攻撃中、トイレに行きたくなっても、『今、俺が行くと、(打者が)打てないんじゃないか』と思うと席を立てない。つまみが肉とナスの炒めものなら、肉は巨人のパワーになるよう巨人の攻撃中に、ナスは相手の攻撃の時に食べる。ハイボールも相手のピッチャーが投げる時には飲みません」
ラジオでは「消極的な巨人ファン」を自称するが、思い入れは相当なもの。日テレジータスでは巨人の試合を完全生中継しているが、「負けている時は最後まで見られない」と言うほど。特に原辰徳監督の采配には注目しているという。
「神奈川県相模原市出身の僕にとって、原さんは地元の星。同級生には原監督と同じ東海大付属相模高校に進んだ人も。その高校では原さんのお父さんが監督で、ご本人の息子にとても厳しかった。そういう話も聞いていたので、原さんは選手時代も監督になってからもスターだと騒がれてきたけれど、その裏側にはいろんなことがあったんだろうなと思います」
また、今年4月までボートレースの番組を持ち、競艇場に足を運んでいた。ボートレースはレジャーチャンネルで中継されているが、その魅力とは?
「まず予想が立てやすいですよね。例えば競馬だと1レースで最高18頭も出馬するけれど、ボートレースは6艇だけ。僕は試合前の周回展示の時、ある地点でここからここの間にどれだけ伸びているかというのに注目し予想する。これを"邦丸式"と呼んでいますが、それで当たるかというと当たりませんね(笑)。だけど、予想すること自体が楽しいんです。今はなかなか自分を信じられない時代だけど、まずはボートレースから自分を信じてみるのもいいんじゃない?(笑)」
他にも、時代劇専門チャンネルで昭和の時代劇を、ディスカバリーチャンネルなどで海外制作のドキュメンタリーを見て、多チャンネルを楽しんでいるという。
「ラジオを"オンエア"する側の僕にとって、テレビは自分を"オフ"にしてくれるもの。現実がどんどん窮屈になっている中、ラジオもそうだけど、既存のメディアであるテレビが現実から離れる時間を提供し、心を開放させる。そういう効果もあるんじゃないかなと思います」
■野村邦丸さんのお気に入り番組
J SPORTS STADIUM2020オリックス vs. 埼玉西武<京セラドーム>(J SPORTS 3)
「巨人の試合だけでなく野球全般をかなりマニアックに見ます。パ・リーグはオリックス。T-岡田選手のバッティングもいいし、良い投手がそろっていますね」
鬼平犯科帳2〈4Kデジタルリマスター版〉(時代劇専門チャンネル)
「ハマり役の吉右衛門さんを始めとする梶芽衣子さん、江戸家猫八さんたち鬼平一座の芝居が良い。スターの安心感のある演技と斬られ役のなんともいえない名人芸が楽しめます」
のむら・くにまる●'57年生まれ。神奈川県出身。茨城放送を経て文化放送に入社。ラジオ番組のアナウンサー、パーソナリティーとして多数の番組を担当し、「くにまるジャパン」は定年退職後も続く人気番組に。
取材・文=小田慶子 撮影=中川容邦
放送情報
J SPORTS STADIUM2020オリックス vs. 埼玉西武(京セラドーム)
放送日時:2020年10月1日(木)17:30~
チャンネル:J SPORTS 3
鬼平犯科帳2〈4Kデジタルリマスター版〉
放送日時:2020年10月4日(日)10:00~
チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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