スーパースター同士の対戦も話題に!藤井聡太二冠の9月対局を振り返る

9月の藤井聡太二冠はタイトル戦番勝負も一段落し、過密日程も解消された秋となった。ここからは激戦の王将リーグが始まる。スーパースター同士の初戦に敗れて苦しい出だしとなったが、巻き返しに期待したい。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

■第70期王将戦挑戦者決定リーグが開幕

9月22日に第70期王将戦挑戦者決定リーグ開幕戦で羽生善治九段と対戦。横歩取りから派手な展開となったが、その後は難解な神経戦が続く。終盤は藤井が時間切迫の中、羽生が強く踏み込み、最後は長手数の即詰みに討ち取られた。横歩取りでの連敗で、課題を残す結果となった。次戦は10月5日(月)に豊島将之竜王(0勝5敗)と対戦する。挑戦権争いのためには早くも後がない状況となったが、過去白星のない強敵を相手に初勝利をあげることができるか。

王将リーグの行方に注目が集まる藤井聡太二冠

■順位戦では4連勝、銀河戦では決勝トーナメント進出

9月9日に第79期順位戦B級2組4回戦で谷川浩司九段と対戦。角換わり腰掛け銀から互いに長考を重ねるスローペースの将棋となる。形勢五分の局面が続くが抜け出したのは藤井。チャンスをとらえると鋭い踏み込みを見せ、終わってみれば短手数での快勝となった。これで4連勝となった。ここまで全勝は4連勝の藤井と中田宏樹八段、3連勝の横山泰明七段の3人。5回戦は抜け番、6回戦は10月21日(水)に村山慈明七段(0勝1敗)と対戦する。

第28期銀河戦Cブロック10回戦の稲葉陽八段戦が9月1日に放送。角換わりから早繰り銀の戦いとなった。苦しい局面があったものの、逆転のチャンスをとらえる。終盤は切れ味を見せて制勝。これで連勝を5に伸ばし、決勝トーナメント進出が確定した。

続く9月29日にはCブロック最終戦の羽生善治九段戦が放送された。羽生の珍しい三間飛車に藤井は左美濃。右辺での押し合いが続いたが、うまくポイントをあげた藤井が勝ち切った。ブロックを6連勝で駆け抜け、最終勝ち残り者として決勝トーナメント進出を決めた。決勝トーナメント1回戦では増田康宏六段(2勝1敗)と対戦する。

9月12日に第41回将棋日本シリーズ2回戦で豊島将之竜王と対戦。横歩取りから秒読みで二転三転する大熱戦となったが、最後に藤井に一失があり敗戦。対豊島戦初勝利は今回もお預けとなった。

■第91期ヒューリック杯棋聖戦の就位式に登場

第70回NHK杯将棋トーナメントは2回戦では木村一基九段(4勝0敗)と対戦する。

第69期王座戦、第14回朝日杯も進行中だが、藤井はいずれもシードのため本戦からの出場となる。

9月23日には第91期ヒューリック杯棋聖戦の就位式が行われ、その模様はネット配信された。緊張した様子を見せながらも謝辞を述べ、藤井にとって初の晴れ舞台となった。

文=渡部壮大

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放送情報

(生放送)第70期 王将戦  挑戦者決定リーグ戦 豊島将之竜王 vs 藤井聡太二冠
放送日時:2020年10月5日(月) 9:50~、12:30~
※対局終了まで延長放送
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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