2021年度が始まっても藤井聡太二冠の勢いは止まらない。今年度を終えるころにはタイトルをいくつ増やしているだろうか。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績
■叡王戦本戦進出、竜王戦ランキング戦優勝と強さを見せる
4月9日に第6期叡王戦八段予選決勝で広瀬章人八段と対戦。藤井が先手で相掛かりを目指し、後手が動いていく展開に。相手の動きに対応して徐々にペースをつかむと、一気に押し込んで制勝。年度開幕戦を白星で飾った。これで八段予選を突破し、本線トーナメントへと進んだ。本線トーナメントは16人で行われ、4勝すれば豊島将之叡王への挑戦権を獲得できる。
4月16日に第34期竜王戦2組ランキング戦決勝で八代弥七段と対戦。藤井先手で相矢倉から藤井はバランス型、八代は穴熊の堅陣に組む。駒組から少しずつリードを奪うと緩みなく差を広げ、完勝となった。これで5期連続となるランキング戦の優勝となった。
決勝トーナメントの初戦では1組3位(山崎隆之八段─稲葉陽八段戦の勝者)と対戦。2勝すれば挑戦者決定三番勝負に進出する。
第69期王座戦挑戦者決定トーナメントの組み合わせも決定。1回戦で深浦康市九段(1勝1敗)と対戦。対局は5月6日に行われる。
4月30日には第92期ヒューリック杯棋聖戦の挑戦者決定戦が行われ、渡辺明三冠が勝って挑戦権を獲得。藤井の初防衛戦となる五番勝負に注目が集まっている。
■第4回ABEMAトーナメントで2連勝、本戦進出を決める
4月10日に第4回ABEMAトーナメントの予選Aリーグ第一試合が放送。藤井がリーダーのチーム「最年少+1」は稲葉陽八段をリーダーとする「加古川観光大使」と対戦。藤井は2局出場して1勝1敗だったが、チームは5勝2敗で勝利を収めた。
4月17日に予選第二試合が放送。三浦弘行九段をリーダーとする「シン・ミレニアム」と対戦。藤井は2連勝、チームも5勝1敗と快勝。予選2連勝で本戦進出を決めた。
第80期順位戦の組み合わせが発表。B級1組は13人による総当たりで、初戦は三浦弘行九段(2勝1敗)と対戦する。対局は5月13日の予定。順位下位の藤井は12戦して9勝3敗が昇級の目安だ。
第29期銀河戦、前回優勝の藤井はHブロック最終戦での登場となる。放送は10月中旬の予定。
第71回NHK杯将棋トーナメントで、シードの藤井は2回戦で深浦康市九段─都成竜馬七段の勝者と対戦する。
第42回将棋日本シリーズの開催も発表され、藤井はタイトルホルダーとしての選出で2回戦からの登場となる。
文=渡部壮大
放送情報
第70期 王将戦 挑戦者決定リーグ戦 藤井聡太二冠 vs 羽生善治九段
放送日時:2021年5月8日(土) 10:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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