フルセットとなった叡王戦五番勝負を制し、史上最年少で三冠へ。次の竜王戦七番勝負は四冠を懸けての勝負となる。さらなる挑戦権を求め、王将リーグでの戦いにも注目だ。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績
9月2日に第47期棋王戦挑戦者決定トーナメントで斎藤明日斗四段と対戦。相掛かりから難しい戦いが続くが、巧みな手作りで突破すると一気に突き放して快勝。
9月13日に第6期叡王戦五番勝負第5局で豊島将之叡王と対戦。先手となった藤井は相掛かりを選択。難解なねじり合いを経てペースをつかんだ。着実に差を広げると、最後は意表の端桂から一気の寄せを見せた。これでシリーズは3勝2敗となり、叡王を奪取。三冠となり、タイトルは通算5期目となった。
9月17日に棋王戦挑戦者決定トーナメントで斎藤慎太郎八段と対戦。角換わり腰掛け銀から後手の藤井が早い仕掛けを見せるものの、中盤の折衝で徐々にリードを奪われる。終盤は勝負手を繰り出すものの、斎藤に冷静に受け止められて届かず。結果的には完敗で、今期の棋王戦はここまでとなった。
9月20日に第80期順位戦B級1組5回戦で木村一基九段と対戦。相掛かりからペースをつかみ、押し気味に進めたが木村の粘りで難しい戦いが続く。しかし終盤に技を掛けて一気に突き放し、投了に追い込んだ。これで4勝1敗に。
9月25日に第42回将棋日本シリーズ JTプロ公式戦で千田翔太七段と対戦。相掛かりの出だしだったが、結局は角換わり腰掛け銀の定跡形に。細い攻めをつなげる展開となるが、早指しでも的確に急所を突き、相手に粘りを許さずに押し切った。11月3日に行われる準決勝では永瀬拓矢王座(6勝1敗)と対戦する。
9月27日に第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ戦で糸谷哲郎八段と対戦。角換わりから守勢に回る展開となったが、藤井は薄い玉形をものともしない。的確に局面をまとめると反撃に出て、一気に勝ち切って好スタートを切った。10月4日には、広瀬章人八段(4勝1敗)と対戦。
9月30日に順位戦B級1組6回戦で横山泰明七段と対戦。相掛かりから藤井が少しずつリードを奪っていく。以下も差を広げて押し切り、A級に向けて順調に星を伸ばした。7回戦では郷田真隆九段(1勝0敗)と対戦する。
9月11日に第4回ABEMAトーナメント準決勝で菅井竜也八段のチーム(郷田真隆九段、深浦康市九段)と対戦。藤井は2勝1敗、チームも5勝2敗と快勝。決勝進出を決めた。9月18日には決勝で木村一基九段のチーム(佐々木勇気七段、池永天志五段)と対戦。藤井は3人全員と対戦し圧巻の内容で3連勝。チームも5勝3敗となり優勝を決め、藤井個人としては第1回から4連覇を達成した。
第34期竜王戦は挑戦者に決定。豊島将之竜王との七番勝負が10月8日、9日に東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」にて開幕した。
第29期銀河戦、前回優勝の藤井はHブロック最終戦での登場。相手は佐々木勇気七段(1勝1敗)で、放映は10月14日の予定。
第71回NHK杯将棋トーナメントで、シードの藤井は2回戦で深浦康市九段(1勝2敗)と対戦する。放映は10月31日の予定。
SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021はファン投票の結果、藤井は西側で圧倒的な票数を集めて1位。予選免除で決勝戦からの登場が決まっている。
文=渡部壮大
放送情報
第70期 王将戦 挑戦者決定リーグ戦 豊島将之竜王 vs 藤井聡太二冠
放送日時:2021年10月18日(月)16:45~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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