竜王戦七番勝負、好スタートを切った藤井聡太、10月の対局を振り返る

棋界最高位をかけた竜王戦七番勝負が10月に開幕。開幕から一気の3連勝で好スタートを切った藤井は、11月12日、13日の第4局でも勝ち星をあげて竜王を獲得。保持するタイトル数でも1位となり、いよいよ本格的な藤井時代の到来と言ってよいだろう。

※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

10月4日に第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ戦で広瀬章人八段と対戦。相掛かりから仕掛けて手作りに成功すると、暴れて勝負に出てきたところを一転して激辛に仕上げる。短手数での快勝でリーグ2連勝と星を伸ばす。残りの対局はすべて11月で、5日に豊島将之竜王(11勝9敗)、9日に羽生善治九段(4勝1敗)と対戦して全勝をキープし、19日に近藤誠也七段(4勝1敗)、24日に永瀬拓矢王座(6勝1敗)と続く。

10月8、9日に第34期竜王戦七番勝負第1局で豊島将之竜王と対戦。相掛かりから空中戦となるが、ペースをつかんだのは豊島。辛抱を強いられる展開が続くが、終盤でチャンスが巡ってくる。時間が少ない中での競り合いとなるが、崩れない指し回しで優位に立つと、最後は差を広げて制勝。幸先の良いスタートを切った。

10月も好スタートを切り、勝ち星をあげ続けた藤井聡太
10月も好スタートを切り、勝ち星をあげ続けた藤井聡太

10月19日に第80期順位戦B級1組で郷田真隆九段と対戦。角換わり腰掛け銀から難解なねじり合いが続くが、チャンスをとらえて優勢に。最後は粘りを許さず押し切った。今期の順位戦は6勝1敗となり、全勝の佐々木勇気七段に次ぐ2番手。次戦は11月16日に松尾歩八段(2勝0敗)と対戦する。

10月22、23日に竜王戦第2局で豊島竜王と対戦。相掛かりから先手の豊島が細かく動きを見せるが、自然に対応した藤井がペースをつかむ。2日目に入ると積極的な指し回しでリードを広げ、短手数での完勝。七番勝負を2連勝とした。

10月30、31日に竜王戦第3局で豊島竜王と対戦。角換わりから相早繰り銀の戦型に。難解な中盤から意表の攻めで手をつなぐと、徐々にリードを奪っていった。最後は手堅く勝ち切り、一気の3連勝とした。第4局は11月12、13日に行われ、竜王を奪取して史上最年少四冠となった。

10月14日に第29期銀河戦Hブロック最終戦で佐々木勇気七段との対局が放映。相掛かりから互いに揺さぶりを掛ける展開となるが、藤井が急所で踏み込んでリードを奪う。そのまま押し切って快勝となった。決勝トーナメント1回戦では斎藤明日斗四段と対戦する。放映は11月18日の予定。

10月31日に第71回NHK杯将棋トーナメントで深浦康市九段との対局が放映。深浦の雁木にリードを許し、珍しい完敗。NHK杯の初優勝は今期もお預けとなった。

文=渡部壮大

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放送情報

【生放送】第71期 ALSOK杯王将戦 挑戦者決定リーグ戦 藤井聡太竜王 vs 近藤誠也七段
放送日時:2021年11月19日(金)9:44~、2021年11月19日(金)13:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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