今年も躍進ぶりに期待が集まる!藤井聡太の1月の対局を振り返る

四冠対三冠の頂上決戦となった王将戦七番勝負が開幕。破竹の勢いでタイトルを増やす藤井聡太が、五冠目も史上最年少で達成することができるか。

※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

1月9、10日に第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局で渡辺明王将と対戦。相掛かりから際どい局面が続き、終盤の入り口で双方秒読みの競り合いとなる。藤井が苦しい局面もあったが、粘り強い指し回しで崩れずに訪れたチャンスをとらえて制勝。頂上決戦にふさわしい開幕局を白星で飾った。

1月13日に第80期順位戦B級1組11回戦で千田翔太七段と対戦。相掛かりから長考の応酬となり、受け身の展開に。押され気味の中勝負手を連発して際どい形勢となるが、逃げ切られての敗戦となった。今期順位戦は2敗目ながら依然首位の状況は続く。2月3日には12回戦で阿久津主税八段(2勝0敗)と対戦。

王将戦七番勝負の開幕局を白星で飾った藤井聡太
王将戦七番勝負の開幕局を白星で飾った藤井聡太

1月16日に第15回朝日杯将棋オープン戦本戦1回戦で船江恒平六段と対戦。後手の船江の誘導で横歩取りへ。ペースをつかまれたかに見えたが、切り合いでバランスを保ち、いつの間にかリードを奪う。良くなってからは手堅い指し手を重ねて制勝した。

同日、朝日杯本戦2回戦で永瀬拓矢王座と対戦。後手の藤井は珍しく雁木を採用し、永瀬が右四間で攻める。難解な終盤戦に突入したが、永瀬の自陣角が威力を発揮。居玉の藤井が苦しくなった。リードしてからの永瀬は激辛な指し回しで勝負手を与えず、そのまま押し切った。藤井は5回目の参加にして初めてベスト4へ進めず。

1月22、23日に王将戦第2局で渡辺王将と対戦。角換わり早繰り銀から互いに自陣角を打ち合う展開となるが、初日の時点で藤井がペースをつかむ。2日目に入っても安定した指し回しで徐々に差を広げて完勝。七番勝負を2勝0敗とした。

1月29、30日に王将戦第3局で渡辺王将と対戦。相掛かりからじりじりとした戦いになり、終盤まで形勢が微妙に揺れ動く難解な戦いが続いたが、最後に抜け出したのは藤井。長手数の詰みを読み切り、落ち着いて詰まし上げた。第4局は2月11、12日に行われる。ここまで3連勝の藤井は勝てば王将奪取、史上最年少五冠となる。

第30期銀河戦本戦はGブロック最終戦に登場する。手前には木村一基九段、久保利明九段らが控えており、勝ち上がってきた棋士と対戦し、勝てば決勝トーナメント進出だ。

非公式戦の結果が2局公開された。「王位・女流王位記念対局」(お好み対局)では里見香奈女流王位と対戦(持ち時間ハンデ戦)。また、新人王の記念対局では伊藤匠四段と対戦。結果はいずれも勝利し、トップ棋士の貫録を見せた。

文=渡部壮大

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放送情報

第71期 ALSOK杯王将戦 七番勝負 第4局 1日目 渡辺明王将 vs 藤井聡太竜王
放送日時:2022年2月11日(金)8:45~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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