王将戦七番勝負は圧巻のストレート勝ち。史上最年少での五冠を達成した。残るタイトルは3つ。防衛、奪取を重ね、前人未到の八冠制覇を達成することができるか。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績
2月3日に第80期順位戦B級1組12回戦で阿久津主税八段と対戦。横歩取りからじっくりした展開になるが、じわじわと模様の良さを拡大していく。形勢が傾いてからは一気に押し切り、時間を残しての快勝となった。他局の結果次第ではこの日に昇級が決まる可能性もあったが、競争相手が勝利したため持ち越しに。3月9日の最終13回戦では佐々木勇気七段(2勝1敗)と対戦。ここで藤井が見事勝ち星をあげ、A級昇級が決まった。
2月11、12日に第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局で渡辺明王将と対戦。渡辺の矢倉に藤井は雁木模様の急戦。渡辺の銀損の研究に長考を強いられるが、2日目に入って徐々に形勢をリードしていく。最後は激辛流の手堅い指し回しで仕上げ、渡辺を投了に追い込んだ。藤井は4連勝での王将奪取。竜王、王位、叡王、棋聖と合わせ、八冠のうち五冠を保持することとなった。過去の五冠達成者は大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段しかおらず、時代を作る棋士の証だ。タイトル戦番勝負としても無敗を続けて、タイトル獲得数を7に伸ばしている。
第30期銀河戦本戦はGブロック最終戦に登場する。手前には木村一基九段、久保利明九段らが控えており、勝ち上がってきた棋士と対戦し、勝てば決勝トーナメント進出だ。放映は秋の予定。
第70期王座戦、第48期棋王戦コナミグループ杯はタイトルホルダーのため本戦シード。まだ予選の最中のため、組み合わせは未定。
第93期ヒューリック杯棋聖戦、お~いお茶杯第63期王位戦、第7期叡王戦は藤井への挑戦権を争う決勝トーナメント、挑戦者決定リーグが進行中。
文=渡部壮大
放送情報
第71期 ALSOK杯王将戦 七番勝負第1局 渡辺明王将 vs 藤井聡太竜王
放送日時:2022年3月24日(木)10:30~、2022年3月26日(土)0:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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