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河合優実主演の「ナミビアの砂漠」など山中瑶子監督作を宇垣美里が語る。この不安定でキツい世の中に見えた希望に涙があふれる<宇垣美里のときめくシネマ>

タレント・芸人

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山中瑶子の初監督作「あみこ」(2017)
山中瑶子の初監督作「あみこ」(2017)

(C)2017 Yoko Yamanaka

「ナミビアの砂漠」で監督脚本を務めた山中瑤子監督が19歳で撮った初監督作品が「あみこ」。この映画に衝撃を受けた当時学生の河合優実がいつかこの監督の作品に出演したい、と女優になることを決意したきっかけの作品であるという。

女子高生のあみこは斜に構えこの世に意味なんてないと考えている。ある放課後、違うクラスのサッカー部アオミくんと意気投合し、運命を感じるあみこだったが、それ以来2人が会話することはなく、その一年後アオミくんが家出をしたという噂が流れる。

あまりにも青く若く、肥大した自意識と初期衝動のままにつっぱしるその痛々しさに共感性羞恥が止まらない。身に覚えがあるからです!流行の曲はちょっと(笑)とか言ってUKロックとかを聞いている自分が好きでした!たまに同じような趣味趣向の人に出会えた時の喜びと言ったら。やっと言葉が通じる人が現れたか、と盛り上がるものの、ちょっと想像と違ったり、幻想が裏切られたり。

重ねてみてしまうからこそ、そんな自分を取り巻くすべてに怒りを剥き出しにするあみこのじろりとこちらを刺すような眼差しから一時も目が離せなかった。「あんな女大衆文化じゃん」というセリフが好きすぎて、思わずメモを取ったくらい。どこで誰に対して使われた言葉か、ぜひ映画で確認してもらいたい。どこかで私も使いたいな、使えないだろうけど。

「ナミビアの砂漠」の原点であると納得の純度と勢い。見ればきっとより山中瑤子監督の作風を掴むことができるだろう。

このキレキレっぷりに私は今後も胸を貫かれ続けることがもう約束されている。山中瑤子監督の登場で日本映画はまた新しい扉を開いた。規範に中指をたてるようなその姿勢がたまらなく愉快で爽快。迸るエネルギーに当てられて、何かが解放されたよう。きっとそんな風に感じているのは、私だけではないはずだ。

文=宇垣美里

⇒「ナミビアの砂漠」河合優実×山中瑶子監督インタビューはこちら

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放送情報【スカパー!】

ナミビアの砂漠
放送日時:2月2日(日)21:00~

あみこ
放送日時:2月2日(日)23:30~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくは
こちら

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