稲川淳二の怪談公演30周年を記念し、ホームドラマチャンネルでは夏のホラー特集が特別編成される。恐怖の伝道師・稲川による珠玉の怪談が収録されたDVDの映像を4週に渡って公開。8月16日(火)は昨年発売された「稲川淳二の黒呪夜話」、8月23日(火)は6月に発売された「稲川淳二の恐凶夜話」、8月30日(火)は7月に発売された「稲川淳二の怨念夜話」が9月は「稲川淳二の最凶夜話」がそれぞれテレビ初放送となる。
今回、稲川にインタビューを行い、怪談師30周年についての思い、印象に残っている思い出、怪談師としての苦労、怪談のこだわりなどについて語ってもらった。
――怪談公演30周年を迎えられましたが、この30年を振り返ってどのような思いですか?
「いやぁ、楽しんでますね! 怪談はデビューした頃からやっていてタレント活動よりも先で、ラジオ局などで話していたのが業界の関係者の間で『面白い』とうわさになってからテレビに繋がっていったので、元々好きなことなんです。(怪談ライブは)自分でも深川の江戸の資料館だったり、有名なお寺さんとかでいくつかやっていたんだけど、当時はまさか商売にするとは思ってなかったですね(笑)」
――印象に残っている思い出は?
「ライブを始めた当初、若いお母さんが女の子を連れて来ていたんです。その女の子がだんだん大きくなって、中学生になって、高校生になって、社会人になって、今では結婚して赤ちゃんを連れて来てくれている。30年って長いなって思いますよね(笑)。
あと、小学校3年生の男の子から手紙が来て、『僕は稲川淳二さんの怪談のファンでお父さんもファンです。お父さんは毎回"怪談ツアー"に行くけど、僕は子供だから行かせてもらっていません。でも、お父さんはツアーから帰って来ると、いつも稲川淳二さんの怪談を聞かせてくれます。僕ももう少し大きくなったら必ずツアーに参加したいと思います』って書いてあって、続けて『これはお父さんから聞いたすごく怖い話なのですが、もしよかったら使ってください』って前置きして、私の話がびっしり書いてあったんです。それがすごく嬉しかったんですよ!というのも、お父さんが聞いてきた話をそのまま息子にしたら、息子がそれをしっかり覚えていたということだから。それって、私の話を誰かが覚えて語ってくれることで、私があの世に行っても話は残るということじゃないですか。それはすごく嬉しいことですね」
――苦労していること、大変なことは?
「やっぱり話をまとめるというのが一番大変ですね。ある程度のかたちはあっても、細部がよく分からないことがあって、調べようにも結構時間がかかるんです。何年か経つと破片が見つかって、それがだんだん増えていくという感じなので。また、聴く人の心を動かすためには緻密に計算しないといけないので、構成を考えるという大変さもあります」
――怪談へのこだわりを教えてください。
「怪談っていうのはホラーとは違って、心の闇だとか歴史的な背景を映すもので、いわば民族学なんです。だから、しっかりと調べて事実に則してないと駄目!推理くらいはいいけど、ないことをあるように、あり得ないことをさも知っているかのように話すのはおかしいですから。怪談って、小学校3年生の子が真剣に聞いてくれたり、たくさんの人が『感動して泣きました』なんて言ってくれるものだからこそ、私はウソをつきたくないんです」
――視聴者の皆さん、ファンの方々にメッセージをお願いします。
「怪談って楽しいもので、暗いものじゃないんです。笑いながら恐怖を感じるもので、私はいつも『怖・楽しい(コワたのしい)』って言っているんです。だから、番組をご覧いただいて存分に怖がりながら楽しんでいただけたら嬉しいですね」
文=原田健
放送・公演情報
<放送情報>
稲川淳二の黒呪夜話
放送日時:2022年8月16日(火)2:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
稲川淳二の凶恐夜話
放送日時:2022年8月23日(火)2:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
稲川淳二の怨念夜話
放送日時:2022年8月30日(火)2:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
稲川淳二の最凶夜話
放送日時:2022年9月
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
<公演情報>
MYSTERY NIGHT TOUR 2022
稲川淳二の怪談ナイト
~稲川怪談30年連続公演~
2022年11月6日(日)まで全国各地で公演中
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