世界中に多くのファンを持つ「美少女戦士セーラームーン」は、原作の連載がスタートした1991年からメディアミックス展開を続けてきた。1993年には初のミュージカル版が制作され、今日に至るまで原作やアニメと同じく多くの支持を集めている。
そして、2017年から始動している25周年記念プロジェクトの一環として『乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」』が誕生。6月に東京・天王洲 銀河劇場にて上演され話題となり、9月21日(金)からTBS赤坂ACTシアターでの公演がスタート。最終の2日間(29日、30日)のステージが、TBSチャンネル2で独占生中継される。
今作の舞台となるのは月と地球。ちょっとドジで泣き虫な中学2年生・月野うさぎが、不思議な黒猫のルナと出会い"愛と正義の美少女戦士セーラームーン"に変身する力を手に入れる。同じ宿命を持った4人のセーラー戦士と出会ったうさぎは、月と地球の存亡をかけて正義のために立ち上がる。
乃木坂46版では、同グループのメンバー10人がTeam STAR、Team MOONの2チームに分かれ、それぞれ5人のセーラー戦士を熱演。両チームとも、各キャラクターにあったビジュアルと役に負けない個性を持ったメンバーが集まった。
Team STARでセーラームーン/月野うさぎを演じるのは、グループ内でトップクラスの舞台経験を誇る井上小百合。マンガやアニメを舞台化したいわゆる2.5次元モノだけではなく、本格的な音楽劇などへの出演も多く、演じる役と同様にTeam STARの中心的な役割を担っている。セーラーマーキュリー/水野亜美役の渡辺みり愛は、6月の初日を迎えた会見時に「話し方や立ち方に個性が出るので、そこで自分のキャラクターをどう出せるかがカギです」とコメント。小さな体で力強い演技を見せている。セーラーマーズ/火野レイ役の寺田蘭世はこれまで舞台経験は少ない。それだけに、演技面での成長度合いはかなり高い。セーラージュピター/木野まこと役の梅澤美波はTeam STARで唯一のグループ3期生メンバー。6月と9月の公演の間に、まったく別の舞台作品に出演する機会もあり、表現力に磨きがかかっていることは間違いない。セーラーヴィーナス/愛野美奈子役の中田花奈は「乃木坂46とセーラームーンのコラボは難しい課題ですが、一生懸命取り組みました」とメンバーを代表したコメントを発するなど、演じる役と同じく5戦士のリーダーとして存在感を見せている。
Team MOONでは3期生の山下美月がセーラームーン/月野うさぎ役を担当。乃木坂46の3期生にとって初舞台となった「3人のプリンシパル」(2017年2月)に出演した時から、演技力に対する評価が高いメンバーだ。今作でも新鮮かつ安定した魅力を放っている。セーラーマーキュリー/水野亜美役の伊藤理々杏も山下と同じく3期生。ファンの間では舞台度胸と愛嬌のよさで一目置かれており、今作でもみずみずしい演技を披露。セーラーマーズ/火野レイ役にキャスティングされた高山一実は「セーラームーンが好き過ぎて、破産しちゃうんじゃないかと思うぐらいグッズを買ったことがあります」と公言するほど作品への愛が強い。バラエティ番組での活躍が多い彼女が、真剣な表情で演じる姿に驚く場面は多いはずだ。その高山が「舞台経験が豊富なメンバーからいろいろ教えてもらいました」と語る"経験豊富"なひとり、能條愛未がセーラージュピター/木野まこと役を務める。コメディなども含めて幅広い作品に出演してきた経験は、今作でも遺憾なく発揮されている。セーラーヴィーナス/愛野美奈子役の樋口日奈も、能條や井上と同じく舞台作品への出演が多く、Team MOONのまとめ役として一役買っている。
どんなに優れた劇作品でも、上演後の賛否は分かれるものだ。特に今回の舞台は原作ファンだけではなく、すでに何代もキャストを変えながら上演され続けてきた「セーラームーンミュージカル」そのものに対する熱いファンも多い。その中で、6月に初上演された「乃木坂46版」が一定の評価を得ているのは特筆すべきポイントだろう。前回の公演から3カ月、各メンバーがさらに成長して臨むTBS赤坂ACTシアターのステージには、どんな魅力が加わっているだろうか。生中継ならではのワクワク感と、名作×トップアイドルグループが放つキラキラ感を味わっていただきたい。
文=大小田真
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放送情報
乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」<Team STAR>
放送日時:2018年9月29日(土)16:55~
乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」<Team MOON>
放送日時:2018年9月30日(日)16:55~
チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
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