乃木坂46桜井玲香がはかなくも熱情的な"嫌われ松子"を好演

過去に映画化、ドラマ化されヒットを記録した「嫌われ松子の一生」が2016年に舞台化。主人公の川尻松子を桜井玲香(乃木坂46)と若月佑美(2018年11月に乃木坂46を卒業)がWキャストで演じ話題となった。桜井が主演を務めた「赤い熱情篇」が3月1日(金)、若月主演の「黒い孤独篇」が2日(土)にTBSチャンネル2で放送される。それぞれのオンエア直前には、「桜井玲香(乃木坂46)×若月佑美 スペシャル対談~演じるということ~」も放送。若月の卒業後、2人が共演するのはこのSP番組が初となるので、本編と同じく注目が集まっている。

舞台「嫌われ松子の一生」は、2003年に発表された山田宗樹の同名小説が原作。ある事件を機に中学校教師の職を追われた松子が、小説家志望の八女川徹也(吉川純広)、その友人で彼に嫉妬する男・岡野健夫(岡田達也)、のちに松子が勤務する風俗店のマネージャー・赤木(なだぎ武)、風俗店の常連で松子と組むことになる小野寺保(堀越涼)、理容室の店主・島津賢治(藤田秀世)、松子の元教え子で彼女を慕う龍洋一(オレノグラフィティ)らと出会い、愛に生きながらも翻弄されていく物語。

乃木坂46のキャプテンを務める桜井は、同グループが持つ清楚なイメージを代表するメンバーのひとりだ。普段はおっとりとして女性らしい印象が強いものの、女優業ではまったく違った一面を見せる。過去には「なかよし60周年記念公演 ミュージカル『リボンの騎士』」(2015年)に魔王メフィストの娘・ヘケート役で出演。単なる父親ではなく、魔界の王たる父にとって頭痛の種になるほど乱暴な性格の少女を、力強くも軽快に演じた。また、舞台「半神」(2018年上演)では、藤間爽子とともに結合性双生児という難しい役に挑戦。藤間が無垢で天使のようなマリアを演じたのに対し、彼女の存在を愛しながらも憎しみを前面に出すシュラを好演した。いずれもアイドルとしての桜井とはまったく別の表情を見せた役で、その表現力は高く評価されている。

そんな桜井が主演した「赤い熱情篇」は、"熱情"と銘打ちながらもはかなげな松子の姿が浮かび上がる。6人の男たちとの愛憎でいうならば、最も平凡なキャラクターである島津との別れの場面に、そのはかなさが集約されているように感じられた。同じ役を演じる若月版とは、心に響く場面が違っているから不思議だ。言うまでもなく、どの場面に心を動かされるかは鑑賞する人間の主観によるので、ぜひ自分ならではの名場面を探していただきたい。

文=大小田真

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放送情報

舞台「嫌われ松子の一生」[赤い熱情篇]
放送日時:2019年3月1日(金)22:00~

舞台「嫌われ松子の一生」[黒い孤独篇]
放送日時:2019年3月2日(土)22:00~

桜井玲香(乃木坂46)×若月佑美 スペシャル対談~演じるということ~
放送日時:2019年3月1日(金)21:30~
     2019年3月2日(土)21:30~

チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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