欅坂46脱退を発表した平手友梨奈が、初主演映画「響 -HIBIKI-」で示した"存在感"

平手友梨奈(「響 -HIBIKI-」より)
平手友梨奈(「響 -HIBIKI-」より)

1月23日に欅坂46から電撃脱退を発表した平手友梨奈。

アイドルがグループから"卒業"することはあっても"脱退"することは極めて稀で、しかも、2016年のデビュー年から4年連続で「NHK紅白歌合戦」に出場し、2019年には東京ドームでのコンサートを成功させるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループの"絶対的エース"突然のグループ脱退に、世間は騒然となった。

さらに発表当日、平手本人がラジオで脱退について言及するも「その件については、今は話したいとは思わない。いつか自分が話したいと思った時にどこかで機会があれば」と詳細については語らず、ネット上ではさまざまな憶測が飛び交い続けている。

1人のアイドルがそこまで注目を浴び、その進退がかつてない騒動に発展しているのは、彼女の唯一無二の"存在感"から来るものだろう。そんな平手の"存在感"が感じられる映画『響 -HIBIKI-』(2018年)が、3月1日(日)日本映画専門チャンネルにて放送される。

同作品は「マンガ大賞2017」大賞受賞作のコミック「響~小説家になる方法~」を実写化したもので、出版不況の文学界に突如現れた天才文学少女・鮎喰響(平手)という"圧倒的な才能"を軸に、周囲の人々の心の葛藤を描いた人間ドラマ。この作品で平手は映画初出演にして主演を務め、「第42回日本アカデミー賞新人俳優賞」など数々の賞を受賞した。

平手友梨奈(「響 -HIBIKI-」より)

作品では、"圧倒的な才能"もさることながら、自分の信じる生き方を絶対に曲げず、世間の常識にとらわれて建前をかざして生きる人々のごまかしを決して許さないという"ブレない"役どころを平手が熱演。

目立つような外見ではなく、普段はずっと小説を読んでいる地味キャラながら、自身の価値観にそぐわない者と相対すると、相手が何者だろうと時には暴力に訴えてでも我を通すという狂気的な顔を持つ。そんな危うさを内包した役に、平手の演技は「当て書きなのでは?」と思ってしまうほどシンクロしている。

映画初出演という中、そのシンクロニシティはどこから発生しているのだろうか?

撮影後、平手は「共演者やスタッフの方が"鮎喰響"として接してくれたこともあり、お芝居をしているという感覚があまりなく、普通でいられました。響という役の性格や行動に共感する部分はありましたが、演じる上では身長を小さくしたかったです。誰に聞いても無理だと言われてしまいましたが(笑)」とコメントを寄せ、出演を決めた時を振り返り「映画に出るのは絶対に無理だと思ったけど、原作を読んで、響の生き様を届けたいと思い、出演を決めました」と告白している。

このコメントから、キャラクターに共感し、そのキャラクターの生き様を伝えるために自らの全てをなげうって、初めての映画出演に向かって全力疾走する平手の気概が感じられる。その"伸るか反るか"の姿勢が、見事に芝居に反映されたものなのだろう。加えて、「身長を小さくしたい」という発想が生まれるほど役に寄り添う姿勢は、平手の"圧倒的な才能"を感じずにはいられない。

"存在感"のある平手には共演者も一目置いており、過去の栄光にすがる有名作家を演じた北村有起哉は公開初日の舞台挨拶で「平手くんと対峙するシーンでは、相手(平手)の芝居によって変えたりしながら柔軟にお芝居しようとして臨んだのですが、彼女の存在がもうドーンとそこに立ってるんです。あれだけ堂々とやられちゃうと、こちらとしては打つ手がない。僕が積み上げてきたキャリアが全く通用しない。原点回帰させられました」と話したほど。

また、響の担当編集者を演じた北川景子は「初日からすごく輝いてスパークしているように見えて、『あぁ、響がいる』って思ったんです」と語っていた。

物語では、"天才"ゆえにブレない主人公の周りに、多くの"凡人"たちが登場する。時代のうねりに沸く者と傍観する者、かつてあった才能が枯渇した者、才能が花開かないまま夢をあきらめられない者...。

私見で恐縮だが、この作品は主人公に感情移入するものではなく、周りに登場するさまざまな"凡人"たちに心を寄せる作品であり、目を覆ってしまうほどのまばゆい主人公の"ブレない姿勢"に、届かないと知りながらも近づきたいと切に願ってしまう「救いの叙事詩」にほかならない。

平手友梨奈という"圧倒的な才能"で表現された"存在感"を感じながら、響という"圧倒的な才能"から薫陶を受けてみてほしい。

文=原田健

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放送情報

響 -HIBIKI-
放送日時:2020年3月1日(日)21:00~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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