AKB48・柏木由紀が初めての婦警役で魅せる"美しさ"

昨年11月に「30歳までアイドル継続」宣言をして話題をさらったAKB48・柏木由紀。AKB48の3期生として加入してからAKB48の草創期を支え、AKB48グループ最年長となった今でもグループをけん引し続けている。

明るく歌って踊る"アイドル"のイメージが強い柏木だが、実は数々のドラマに出演しておりコメディからシリアスなものまでさまざまな役を演じている"女優"の顔も持つ。ヤンキー女子高生からお嬢様学校の生徒会副会長、キャバクラ嬢、巫女、カフェ店員、女流棋士まで幅広い役どころを務めており、2018年には「大河ドラマ 西郷どん」(NHK総合ほか)にも出演するほど。

そんな柏木が初めて警察官役を演じて事件の真相に迫るミステリー作品に挑戦したのが、2013年にフジテレビで放送された「タガーリン」だ。同ドラマは、福山雅治演じる天才物理学者・湯川学が数々の難事件の謎を解き明かしていく人気ドラマ「ガリレオ」のスピンオフ作品で、「ガリレオ」に登場する刑事と交通課勤務の婦警が、女子高校生が寮のベランダから飛び降りて死亡した事件の真相を追うというもので、4月4日(土)に映画・チャンネルNECOで放送される。

柏木演じる江島千尋は、普段は交通課勤務の婦警だが警察署長の極秘命令を受けて表沙汰にできない事件を捜査する秘密部隊の一員で、ハライチ・澤部佑扮する刑事・太田川稔を頼って事件の聞き込み捜査に乗り出すのだが、太田川の頼りなさも相まってなかなか捜査が進展していかない。そんな中、「飛び降りた女子高生が呪いのDVDを見て死んだ」といううわさを得て、証拠品の中から見つけた「呪いのDVD」を視聴。すると、千尋の身に不吉な出来事が連続して起こり始める...といったストーリーだ。

(C)フジテレビジョン

作品自体は、署長から特命を受けているのが普通の婦警だったり、捜査権がないため刑事に助けを求めたにもかかわらず分かれて聞き込みをするなど、スピンオフ作品ならではの細かい突っ込みどころは散見されるのだが、澤部のコミカルな芝居や劇中に散りばめられたクスッとさせられる演出が観る者に気楽さを与えてくれてバラエティ感覚で楽しめる効果をもたらしている。

そんな中で、作品の1番の魅力は柏木が紡ぐ千尋の実直さであろう。もちろん、「ガリレオ」ならではの科学的なトリックの解明や、帝都大学のシーンでの「ガリレオ」でお馴染みの"あの人"の登場といった見どころも魅力の1つだが、何より一介の若い婦警が事件解決のために悩み、恐怖に耐え、真摯に取り組み結果をつかむという"一生懸命な姿勢"が観る者に爽快感と仮想現実的な達成感をもたらしてくれるのだ。

事件の真相解明という「目標に向かい」、不吉な出来事に見舞われる「困難を乗り越え」ながら、仲間の助けを借りて事件解決という「結果にたどりつく」という展開は、ミステリーでありながらも王道の人間ドラマでもあり、万人が共感でき、つい応援したくなってしまう。

そんな重要な役どころを、柏木は正面から真っ直ぐ演じることで体現。近道や遠回り、途中棄権などできない真っ直ぐにしか進めない"若者らしさ"を全面に出しつつ、時に不器用で時に融通の利かないところも全力で演じている。

最も特筆すべきは、全ての言動を全力で表現していることだ。芝居でも何でも、年を重ねて経験を積むと"力の抜きどころ"を意識的にも無意識的にも覚えてしまう。ある意味それが"大人の味"だったり、緩急を操ることで"ベテランの深み"となるのだが、そうなると"若者らしさ"は永遠に失われてしまう。どれだけ色を重ねても白には戻れないからだ。

大河ドラマをも経験した現在28歳の柏木には表現できない、当時21歳の柏木が全力で体現した若者による"若者らしさ"の芝居で、一生懸命な姿の美しさと力強さを感じてみてほしい。

文=原田健

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放送情報

タガーリン【全11話】
放送日時:2020年4月4日(土)13:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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