1980年以降、夫婦共で共働きの世帯は年々増加し、1997年以降は共働き世帯数が男性雇用者と専業主婦から成る世帯数を上回っている。仕事や家事、育児など目まぐるしい暮らしを送る中で、気晴らしや癒やしといった心休まる時間は必要不可欠だ。
そんなママたちを元気づけたい、という思いから、シンガー・中村あゆみの呼びかけにより結集した現役ママアーティストによるライブが「ママホリ」だ。同ライブは、2021年に「家族のために頑張るママの休日(ホリデイ)」というコンセプトで始まった音楽祭。3回目となる「ママホリ2023」では、「ファミリーの休日」をキーワードに、日頃から息をつく暇もないママとパパたちに、現役のママアーティストたちがパフォーマンスを通して「心の休日」を楽しんでもらおうという思いで開催された。
ライブは、中村がRED WARRIORSの「バラとワイン」のサビを歌った後、「今年の『ママホリ』は、この方をナビゲーターに迎えました」とダイアモンド・ユカイ(・は六芒星)を呼び込みスタート。その後、ダイアモンド・ユカイ、hitomi、土屋アンナ、相川七瀬、斉藤由貴の順に、自分の後に登場するメンバーの代表曲のサビを歌いながら数珠つなぎで登場。
オープニングからフルキャストの登場に、会場は一気にヒートアップ。中村は「皆さん、こんにちは!今年3回目を迎えましたが、『ママホリ』始まりましたね」と挨拶し、「あったかい感じで始めたいと思います。それでは、始めましょう!」と開幕宣言。
そして、「みなさん、1曲目から飛ばしていきますよ!用意はいいですか!」と語り、観客とコールの掛け合いをスタート。パフォーマンスを見せるだけではなく「一緒に楽しむこと」に主軸を置いたステージングで、観客たちのストレスの発散を促していく。
また、「1年間すごく待ち遠しかったです。今回もたくさんの人に応援してもらって実現しました。これから各アーティストが全身全霊で皆さんにぶつかっていくので、ぜひ楽しみにしていただきたいと思います」とにっこり。ラストの「翼の折れたエンジェル」では、会場が一体となって揺れるほど。ほか、hitomi、斉藤、ダイアモンド・ユカイ、土屋、相川も、往年のヒット曲を中心に披露し会場を盛り上げる。
そして、何より特徴的なのはMCではなく、トークセッションもあることだ。アーティスト同士の会話や丁々発止の掛け合いなどはなかなか見られるものではなく、この部分だけでもお得感がある。つまり、笑いの要素もしっかりと盛り込まれているのだ。夫婦で来場し、相手が曲を知らなかったとしても、トークで楽しめるとは憎い演出だ。
会場を煽って、ただただ大声を出して、歌い、踊り、騒ぐことを奨励している音楽祭。パフォーマンスからMCに至るまで、これほど観客の"ストレス発散"に特化したライブは他にはないだろう。ライブの選曲から演出、会場の雰囲気に至るまで、中村の細やかな心遣いを感じつつ、唯一無二の雰囲気をぜひ一度味わってみてほしい。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
M-ON! LIVE ママホリ2023 ~Genking Live~
放送日時:2023年12月18日(月)22:00~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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