時代とともに歩む国民的バンド、サザンオールスターズ　まもなくデビュー40周年！

6月25日(月)に40周年を迎えるサザンオールスターズ。言葉にするのは簡単だが、これだけ長く活動しているバンドはあまりないだろう。改めて振り返ると、彼らの曲は常に我々と共にあったように思う。

１曲のバラードが彼らの名声を一気に高めた

当時人気の音楽番組、TBSで放送していた「ザ・ベストテン」に、サザンオールスターズはデビュー曲「勝手にシンドバッド」をひっさげ突如として現れた。郷ひろみやピンク・レディーら華やかなアイドル系歌手が番組を彩る中で、汗臭ささえ感じるほど熱気にあふれた若者たちが奏でるロックは、"異色"いや"異質"と言っていいほどだった。

だがその印象は、1979年3月に発売された「いとしのエリー」で一変する。桑田佳祐の独特の歌い方とハスキーな声が切なさを醸し、力強いサビで一気に感情があふれだす。メロディの美しさ、透き通ったコーラスも印象的な完全無欠のバラードだった。この曲がのちにレイ・チャールズをはじめ多くのミュージシャンにカバーされたことはご存じの通りだ。

ヒットメーカーとして時代とともに歩む

一躍売れっ子になったサザンはヒットメーカーとしての地位を築きながら、我が道と時代を歩き続ける。バブル華やかなりし1980年代後半には、ホイチョイ・プロダクションズが制作した映画3部作の2作目『彼女が水着にきがえたら』の挿入歌に「ミス・ブランニュー・デイ」「みんなのうた」などが使用された。3部作の1作目『私をスキーに連れてって』で使われた松任谷由実の「恋人はサンタクロース」などと同じく、多くの若者に愛される曲となった。

1990年代に入りトレンディドラマがブームになると、小田和正、CHAGE and ASKAなどが主題歌を歌いヒットを飛ばした。サザンの「涙のキッス」もドラマ「ずっとあなたが好きだった」の主題歌となり、150万枚の売り上げを記録。折しもカラオケブームが到来していて、女性にカッコイイところを見せようと熱唱した方も多いのではないだろうか。

その後日本経済は下降線をたどるが、ヒットメーカーとしての立ち位置は揺るがない。2000年1月には44枚目のシングル「TSUNAMI」をリリース。自己最高セールスとなる300万枚近い売り上げを記録し、第42回日本レコード大賞を受賞している。

多くの人の心になじむ国民的バンド、サザン

サザンの音楽の魅力はどこにあるのだろうか？桑田の独特の歌い方、湘南サウンド、「いとしのエリー」をはじめとする美しいメロディ、刺激的な歌詞、社会風刺、「マンピーのG★SPOT」といったエロ曲...。と、サザンの特徴を並べてみたが、かえってよくわからなくなるから不思議だ。逆にそれだけ多くの魅力を持っている、と考えてもいいだろう。40年もファンに支持されてきた理由は、一口では語れない。

ただひとつ言えるとしたら、今もし、ラジオやTVからサザンの曲が流れてきたなら、多くの人が安心してその調べに心をゆだねるに違いない。「あ、サザンだ」と。それぞれの時代でヒットを飛ばし、人々の心に刻まれる曲を作り続けてきたサザンオールスターズというバンドが、我々にとってなじみ深い存在となっていることは確かだ。40年という、長い時間をかけて。

今年40周年を迎えるサザンの特集番組を、スカパー！でも多数放送予定だ。時代を彩った数々の名曲を今再び聞き直してみるのも、きっと楽しいに違いない。

文＝堀慎二郎

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