今年5月、男女2人組のシンプルなロック・ユニットが初の日本武道館公演を行った。押し潰されたようなシャウトに絡み合うブルージーなギター、抑圧された空気で聴く者を包んだ後に突き抜けるようなサビで圧倒する。そんなロックの魂と魅力にあふれたGLIM SPANKYの素顔に迫ってみよう。
アマチュア時代から幾多の賞を受賞する実力派
GLIM SPANKYが結成されたのは2007年。高校1年生だったボーカルの松尾レミの呼びかけで、現在ギターを担当している亀本寛貴らが参加した。翌年にはソニーミュージックが主催する「ロック番長」で優勝、また2009年には「SCHOOL OF LOCK!」主催の「閃光ライオット2009」で14組のファイナリストに選ばれるほど、実力のあるバンドだった。
その後大学進学などでメンバーは離れ離れになるが、2010年に松尾と亀本の2人でバンド活動を再開。インディーズ時代を経て、2014年にファーストミニアルバム『焦燥』をリリースする。
そして2015年から、2人は大きな飛躍を遂げる。2月に深夜ドラマ「太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方~」(テレビ東京系列)の主題歌「褒めろよ」をリリース。ライブも赤坂BLITZを満席にするほどの盛況だった。2016年7月には、映画『ONE PIECE FILM GOLD』に主題歌「怒りをくれよ」を書き下ろすなど、タイアップによりその知名度と名曲は世に広まっていった。
ブレない、変わらない、GLIM SPANKYの2つの持ち味
彼らの曲には、大きな特徴がふたつある。ひとつはその根底に60~70年代のロックがあること。主に作詞・作曲を担当するのはボーカル&ギターの松尾で、彼女はホワイト・ストライプスやレッド・ツェッペリン、ザ・フーなどの影響を受け、そのエッセンスが曲にこれでもかというくらい詰め込まれている。
しかしそれを今の時代に浸透させるには、卓抜したセンスとブレないハートが必要だ。彼らが十二分にそれを持っていることは、多くの人に受け入れられていることからもお分かりいただけると思う。
もうひとつの特徴は、日本語でロックすること。その理由は、一番得意な言語が日本語だからだという。ロックだからと言って、無理に英語を使う必要などない。日本語であってもいい曲であればきっと伝わる、そんな強い思いを彼らは持ち続けているのだ。
そして彼らの最大の目標は、日本語で世界に進出すること。今年1月、台湾で自身初の海外ライブを行い、いよいよ第一歩を踏み出した。インディーズからのし上がった骨太のロッカーが鳴らす音は、世界をどれだけ震わせるのか。これからも注目のユニットであることは間違いない。
彼らの記念すべき初の武道館ライブを収めた「GLIM SPANKY LIVE AT 日本武道館」が7月7日(土)に放送予定だ。世界に羽ばたくGLIM SPANKYの音と魂がいかなるものか、確かめてみてはどうだろう。
文=堀慎二郎
放送情報
GLIM SPANKY LIVE AT 日本武道館
放送日時:2018年7月7日(土)21:00~
チャンネル:BSスカパー!
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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