山下達郎、フィッシュマンズらの流れを汲む新世代シティポップ・シーン
ノスタルジックでロマンに満ちたグッドミュージックを鳴らす4人組バンドYogee New Waves(ヨギーニューウェイブス)。はっぴいえんどや山下達郎、サニーデイ・サービス、フィッシュマンズといったアーティストからの流れを受け継ぐ彼らは、インディーズ時代からシティポップ・ブームをけん引するバンドとして注目を集めてきた。
2010年代半ば、いわゆるフェスで盛り上がるバンドのカウンターカルチャーのように、ゆったりと心地好く聴ける都会的でスタイリッシュなバンドが次々に登場した。しかし自ら「シティポップをやっている」と語ることは、ほとんどない。だが、過去の名作にリスペクトを寄せ、絶えず変化する海外シーンの動向に目を向ける視野の広い音楽が、ガラパゴス化された日本の音楽シーンに風穴をあけ、新しい時代を築いていくという希望を込めて、彼らは「シティポップ」という言葉とともに受け入れられたのだ。
そうした時代の追い風のなかで(いや、自分たちで追い風を作ってきたというべきか)、Yogee New Wavesが結成されたのは2013年だった。その翌年に初の全国流通盤『CLIMAX NIGHT e.p.』でCDデビューを果たすと、同年のフジロックでは「ROOKIE A GO-GO」(新人アーティストの登竜門的ステージ)に選出、9月にリリースされた1stアルバム『PARAISO』が各方面のメディアから大絶賛を浴びることになる。もはや、いつメジャーデビューしてもおかしくない状況だったが、そこから2015~17年にかけては地道にライブや制作に専念して、バンドとしての地力を上げていく時期が続いた。ボーカルの角舘健悟を中心に、粕谷哲司(Dr)、竹村郁哉(Gt)、上野恒星(Ba)という現在の体制になったのは2017年。元メンバーだった松田光弘を制作ディレクターに迎える盤石の体制を整えて、2018年3月には3rd e.p.『SPRING CAVE e.p.』でメジャーデビューを果たした。
Yogee New Wavesがポカリとのコラボ曲で歌う「青春」
ヨギーの人気は一過性のブームで終わる気配がないことは、その後の活動が証明している。前述の『SPRING CAVE e.p.』に収録されている「Bluemin' Days」はボーカルの角舘が初のナレーションを務めるフジテレビ系で放送中の新感覚ドキュメント「セブンルール」のディレクターからラブコールを受け完成させた楽曲。これがYogee New Wavesの名前をお茶の間にも広げるきっかけになった。大塚製薬「POCARI SWEAT×FES 2018」キャンペーンソングとして書き下ろされた「CAN YOU FEEL IT」は、「青春」というヨギーの根源的なテーマにも通じる開放感なナンバーで、すでにライブでは彼らのニューアンセムになっている。
そんなYogee New Wavesが昨年末に開催した全国8都市で開催したワンマンツア
また、この日はサポートにパーカッションの松井泉、キーボードの高野勲を迎えて、「Ride on Wave」「Climax Night」などの代表曲のほか、シュガーベイブの「DOWN TOWN」や未発表の新曲も披露された。音源からはゆるい雰囲気ライブを想像するかもしれないが、メンバーひとりひとりが熱を込めて紡ぐアンサンブルからは、人と人とが真剣にぶつかり合うことで生まれる熱いエモーションを感じることができるはずだ。
文=秦 理絵
放送情報
Yogee New Waves CAN YOU FEEL IT TOUR FINAL at Zepp DiverCity TOKYO
放送日時:2019年2月23日(土)22:00~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
詳しくはこちら