「BSスカパー!BAZOOKA!!!第15回高校生RAP選手権 in TOKYO」が4月3日に都内で開催され、大会初出場の百足(mukade)が優勝した。
同大会は、スカパー!が主催する若手ラッパーの日本一を決める大会。東京、大阪で行われたオーディションを勝ち抜いた16人が、それぞれの生い立ちを全面にぶつけたフリースタイルのラップMCバトルを繰り広げた。
今回、大会終了直後に百足にインタビューを敢行し、大会を終えた感想や優勝した心境、ラップの魅力などを語ってもらった。
――優勝して率直な今の感想は?
「正直驚いているっていうか、あまり実感が湧いてない感じです。これまで大会に出場していた人は前回出場した時の思いなどを背負って出ていると思うんですけど、自分は初出場での優勝だったので『あ、優勝したんだ』っていう驚きの方が強いですね」
――大会に向けて何か準備などはされましたか?
「結構余裕ぶっこいてましたね。"00世代"最強って言われているから、その下に敵はいないかなと思って。他の出場者の人は(他の大会などで対戦して)当たって勝っている人たちばっかだったので」
――年齢制限のため今回が最後の大会だと思いますが、そういった意味でのプレッシャーなどは?
「余裕はあったのですが、逆に『負けたらやばいな』という焦りはありました。さんざん"00最強"とか余裕かましといて1回戦で負けたら、もうMCバトルできなくなるんじゃないかっていうくらいの重荷を感じました」
――今大会で一番印象に残った対戦相手は?
「韻マンですね。(韻マンは韻を踏みまくるスタイルのため、ラップでの)会話ができないんで。普通だったら揚げ足を取ったりできるんですけど、あんなにバンバン韻を踏まれたら何て返せばいいんだろうってなりますし、あいつの韻で踏み返せないし。延長戦でトラップビートが流れて、『もう乗り方で勝つしかないな』って思って。『さすがに韻踏む奴トラップ乗りできないだろう』と思って余裕だったんですけど、戦ってみたら『韻踏みながら乗るんかいっ!』みたいな(笑)。もうギリギリで勝ちました」
――今大会で印象的だった出場者は?
「Novel CoreとHARDYに関しては、つい最近一緒にチームで出たばっかで、2人とも高校生RAP選手権の優勝者だったので、『あの2人を倒さないと優勝できないな』って思ってたんです。でも、2人とも途中で負けちゃったので『これは優勝するしかないな』って思いながら戦っていました。ベルも(百足に対して)「首洗って待っとけ」って言っていたのに途中で負けちゃったので。意外とやりたかった人が負けちゃって、対戦できなかったんですよね」
――逆に、注目していなかったけどすごかったと思う人は?
「1回戦で戦ったZERO-COREくんですね。出る前にみんなから『(ZERO-COREは)ダークホースだよ』って言われてたんですけど知らなくて、『いけるだろう』って思ってたら延長戦になっちゃって。めっちゃ焦りが出て『1回戦で負けるかも...』って思ったんですが、火事場のクソ力で勝つことができました。ZERO-COREくんはめっちゃカッコよかったですね」
――ラップの魅力は?
「お金がかからずにできるところですね。自分の家庭は貧乏だったので、あんまりお金がかかることができなかったんですけど、そんな中でサイファー(複数人が輪になって即興でラップをすること)っていう遊びを見つけて『毎日できるやんっ!』って思って。やり続けていたら楽しくなっちゃって。いつの間にか大舞台で自分の言ったことに何百人のお客さんが手を上げているっていうのが快感になったので、そういうところが魅力かなって思います」
――今後の活動は?
「ラップを始めたきっかけがこの選手権で、(出場できる)最後の年で優勝したので、ここで1回バトルは控えて音源制作に集中していこうかなって考えています」
――ラッパーとして、若者たちにメッセージをお願いします!
「ラップをあんまり怖がらないでほしいですね。みんながやっている部活と一緒で、毎日楽しんでやっているし、イベントに行くのも楽しいし、おびえずにもっとラップに近づいていってくれたらうれしいです」
文=原田健
放送情報
BSスカパー!BAZOOKA!!!第15回高校生RAP選手権 in TOKYO
放送日時:2019年5月6日(月)21:00~
チャンネル:BSスカパー!
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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