銀杏BOYZのライヴ特番「世界がひとつになりませんように」が2019年4月6日にスペースシャワーTV で完全独占放送される。2019年1月15日に銀杏BOYZ史上の二度目の武道館ワンマンとして開催された「世界がひとつになりませんように」。1月15日は前身バンドGOING STEADY(ゴイステ)の解散日であり、銀杏BOYZの結成日でもある。紆余曲折を経て、いまや峯田和伸(Vo/Gt)のひとりプロジェクトとなった銀杏BOYZが、自身にとって大切な日におこなったライヴは、この時代だからこそ伝えるべき"本物の歌"を、恐るべき執念と気迫で歌い切るという、まさに銀杏BOYZにしか成立しえない圧倒的なライヴだった。
■「いだてん~東京オリムピック噺~」「高嶺の花」などで役者としても活躍
銀杏BOYZを率いる峯田と言えば、現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で、美濃部孝蔵の兄貴分となる浅草の人力車夫・清さん役として物語のキーとなる重要な役どころを演じているほか、石原さとみと共演したドラマ「高嶺の花」や、2017年のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」など、最近では「役者」としての顔にフォーカスが当たることも多い。生粋の役者でないからこその危うさや、型破りなバンドマンらしい自由奔放な生き様が滲み出た、飄々とした佇まいが独特の味を醸し出している。
ミュージシャンとしては、銀杏BOYZ の前身バンドだったGOING STEADYは2000年代初頭の青春パンクブームを象徴する存在だった。2002年にゴイステが大きく躍進するきっかけになった「童貞ソー・ヤング」は、思春期の若者が抱える抑えきれない性への欲求を暴走させた楽曲だし、解散直前のリリースされた「若者たち」では、心の中に渦巻く鋭利な衝動を高らかに歌い上げた。顔色ひとつ変えずに平気な顔をして嘘をつく大人たちには絶対に理解されない感情を、銀杏BOYZだけはわかってくれたし、救ってくれたのだ。
■人間の本質にある美しさ、歪さをあぶり出す銀杏BOYZの楽曲
2003年ゴイステが突如解散すると、銀杏BOYZが始まった。決してコンスタントにリリースを重ねる活動とは言えなかったが、16年の間に「人間」や「光」「生きたい」と題した"ロックと光と影"の三部作が生まれ、単独で銀杏BOYZを背負うことを決めた峯田の覚悟が詰まった最新アルバム『光のなかに立っていてね』もリリースされた。若者の情動や憤りだけでなく、人間の本質にある美しさも歪さも包み隠さずにあぶり出し、やがて大きな人間愛の存在へと帰結していくような楽曲たちは、今の銀杏BOYZのリアルであり、より普遍的へ向かう気配も感じた。変わった、変わらない。多くのリスナーの青春時代を形作ったバンドだけに様々な論争も巻き起こるが、いつの時代でも徹底的に自分自身と向き合い、純粋な目で世界と対峙しようとする峯田の姿勢は変わっていない。
ライヴ特番「世界がひとつになりませんように」は、そんな2019年の銀杏BOYZをありのままに伝える内容になっている。ゴイステ、銀杏BOYZと一緒に年を重ねてきた人も、ここで初めて出会う人も、今のリアルな銀杏BOYZの姿が見られるはずだ。
文=秦理絵
放送情報
銀杏BOYZ ライヴ特番「世界がひとつになりませんように」
放送日時:2019年4月6日(土)21:00~
チャンネル:スペースシャワーTV
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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