GW特別インタビュー｜氷川きよし

演歌界をけん引するエース。
'00年デビューの際、その実力と端麗な容姿で日本中を席巻。デビュー曲「箱根八里の半次郎」のフレーズから"ヤだねったら ヤだね"が新語・流行語トップテンにも選ばれた。

"表現者"として歌っていきたい

－3月に発売された最新シングル「男の絶唱」はどんな歌ですか？

去年は「みれん心」という女心の歌をリリースしたんですが、今年はがらりと変わって、男の決意を歌う作品になりました。人生を生き抜く決意を睡蓮の花に例えた歌詞を見たとき、「これだ！」と感動しまして、これを伝えるために僕は生きてきたんだ、と。そういう思いがしました。僕も今年で40歳、30代最後となる節目の年に良い曲をいただいたと思っております。

－歌詞で共感したのはどの部分でしょうか？

人生では、誰にでもいろんなことがあって、それを乗り越えて成長していくものじゃないですか。この歌詞にある「泥に咲く花 ああ 睡蓮の 純な心は忘れまい」という思いが本当にすばらしいと思います。「いかに時代が 移ってゆけど 見失うかよ心の灯り」というところも、考えさせられますね。今の世の中はスマホやメールなどいろいろ便利になってとてもいいと思いますけれど、やはり人と実際に会って話す、相手の目を見て対話していくということが、心のつながりにおいても大切なんじゃないかと思います。

－チャンネル銀河の「ゴールデンウィーク特別編成"氷川きよしウィーク"」では、これまでの軌跡を追った「泣いた！笑った！こころ歌 氷川きよし」も放送されます。

20年前、福岡から東京に出てきたときは、二度と故郷には戻れないと覚悟していました。当時はお金がなくて、帰るための飛行機代も出せませんでしたから。番組では、東京でアルバイトしながらチャンスを探し、歌手になったという、真実の思い出を語らせていただきました。子供のころのアルバムや過去の映像なども放送されて、自分としてはそれを見るのは恥ずかしいですが(笑)、マイストーリーを見ていただけたらうれしいです。

－長年、出演されている「BS日本のうた」も放送されます。

この番組は、いろんな歌い手が出演するので、すごく楽しいんです。いろいろな個性のある方とも共演でき、刺激になります。最近も大先輩の千昌夫さんと一緒に「昭和枯れすすき」を歌わせていただきました。自分のコンサートではできないことができるし、みんなでにぎやかにやっていますね。

－今年9月には40歳になりますが、心境の変化はありますか？

既に体質的には40代になってきている感じがします(笑)。ちゃんと運動をしないとダメですね。筋肉量を上げていかなければと...。肝心の歌については、20代は勉強させていただく期間でした。それを少しずつ活かせてきたのが30代で、これからは40代の氷川きよしらしく、表現者として歌っていきたいと思います。やはり日本の演歌を歌いたいという気持ちがあるので、「男の絶唱」のような主流を軸にしながら、TVアニメの主題歌として歌った「限界突破Ｘサバイバー」のような別のジャンルにも挑戦していきたいです。そう言えば、アニメの歌を歌ったからか、最近はコンサートにも、ご年配の方がお孫さんを連れて来てくれるんですよ。今が一番、自分のやりたいことをできている実感があるので、これからもお客さまを始め、周囲の人への感謝を忘れずに、歌っていきたいですね。

PROFILE
ひかわ・きよし
● 9月6日生まれ、福岡県出身。カップリング曲が3タイプ収録された新曲「男の絶唱」が発売中。

撮影＝伊原正浩　取材・文＝小田慶子

※この記事はヨムミル！ONLINEの転載になります。

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