王道の演歌はもちろん、ポップスやヴィジュアル系ロック調のパフォーマンスにまで表現の幅を広げている氷川きよし。華麗なキャリアを積み重ね、デビュー20周年を迎えた彼の魅力にフォーカスした「ヴォーカリスト 氷川きよしの魅力」が、9月22日(日)にWOWOWプライムにて放送される。"演歌界のプリンス"は今、自身のキャリアをどう振り返り、何を思うのか?
――20年の活動を振り返って、転機を迎えたのはいつ頃ですか?
「デビュー15周年の頃ですね。日本武道館で記念コンサート(2014年)をして、その後に喉のポリープ除去手術を受けまして。実はそれまで10年近く喉が傷んだ状態で歌っていたので、ずっと辛かったんです。でも手術して以降、元の音域に戻って高音も使えるようになってきたので、演歌以外にもロックやポップスなど、歌う幅が広がりました。だから、15周年以降はいろいろと変わっていきましたね」
――デビュー時は22歳で、今や40代に。年齢を重ねるにつれ、歌に対する意識はどう変わりましたか?
「演歌でデビューして、ありがたいことに皆さんに受け入れていただけて、歌の世界に青春を捧げていました。でも、求められるイメージに追い付いていくのに精いっぱいで...。年齢を重ねるごとに、もっと自分らしくでいいかな...と感じるようになってきたんです。そこで、人間としての自分自身を表現するために、どうしようかな?と考えた時、『もっといろんな歌を歌っていきたい』と思うようになりました。そのタイミングでGReeeeNさんとのコラボレーション曲『碧し』や、『限界突破×サバイバー』など、思い切り想いをストレートに表現できる曲に出会って、自分の殻を破り、演歌というジャンルを超えて。そこでまた成長できるな、とも思ったんです」
――「限界突破×サバイバー」は、ヴィジュアル系ロックミュージシャンを思わせる表現が今、大きな話題となっています。
「もともと『限界突破×サバイバー』は、今とは違うヴィジュアルで見せていた曲なんです。森雪之丞先生が書いてくださっている歌詞もすごく素敵で、『限界を突破して可能性を広げよう』というメッセージをちゃんと残したい、伝えたいと改めて思ったんですね。そこで、まずは『自分を表現しよう』という方向性に決めた時に、今のような見せ方を思いつきました。アイシャドウを真っ黒に塗って、髪を振り乱し、ボディスーツみたいな衣装で、『自分らしく思い切りやろう!』と発想を転換したんです。それで演歌とのギャップが出た時に、皆さんが『何、何!?』と盛り上がってくださって。やはり注目していただけるのは嬉しいですよね。そうやって『あれ?』と驚かせるのが好きなんです」
――最新シングル「大丈夫」は演歌でありながら、パフォーマンスは型破りです。そのようにアレンジを施しながら、演歌も歌い続けていくのでしょうか?
「ジャンルにこだわらず、いろいろ挑戦していきたいですね。その中で演歌を歌ってももちろんいいわけですし、演歌で勉強をさせてもらったからこそ自分の今があるので、ファンの方に感謝して、演歌作品はこれからも歌っていきます。1回の人生だから、悔いなく好きなように自然体で生きたほうがいいと思うんですよ。年齢と共に『もう時間がない』と思ってしまうので、『人にどう思われるか』より『自分がどう生きるか』が大切だな、と。それを訴えていけるのが歌の力でもあると思っています。伝えたいことを歌詞に綴って、訴えて、皆さんを鼓舞したいですし。今はネット社会でいろんな情報が飛び交っていて、何が本当で何が嘘か分からない、皆生き方が分からない時代だと思うんです。だからこそ、『自分がいるから大丈夫だよ』と伝えられるような歌を歌っていきたいなと思っています」
放送情報
ヴォーカリスト 氷川きよしの魅力
放送日時:2019年9月22日(日)15:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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