演歌歌手・三山ひろし。2009年6月にシングル「人恋酒場」でデビューし、いきなり10万枚を超えるヒットを記録。祖母の影響で演歌を好きになり、幼い頃から演歌を歌っていたという生粋の演歌歌手だ。
しなやか、かつ力強い歌声は、小さい頃から歌ってきたということもあるが、詩吟を習っていたということも大きく影響している。デビュー前に「NHKのど自慢」に出場してチャンピオンになり、2007年に日本クラウン創立45周年新人オーディションで準グランプリを獲得したことも、三山のすごさを裏づけている。
1980年生まれなので、デビューは決して早いわけではないが、売れるまでは故郷の高知に帰らないという強い意志を持っていたからこそ、演歌界の期待の星としてプレッシャーを背負いながらも躍進してきたのではないだろうか。清涼感のある高音、安心感を与えてくれる中低音、"ビタミンボイス"と呼ばれている三山の歌は、聴く人すべてに文字通り、活力を与えてくれている。
2015年から「NHK紅白歌合戦」に4年連続で出場。"けん玉の"と言えば、さらにピンと来る人も増えるのでは。日本けん玉協会の会員で、四段を取得。紅白歌合戦では歌唱中に"けん玉大皿チャレンジ"を行い、昨年(2018年)には三山を含めた124人でけん玉に挑戦をしてギネスに認定された。
「NHK紅白歌合戦」と言えば、昨年の紅白で視聴者に強烈なインパクトを与えた"純烈"も忘れられない。三山のデビューから1年後、2010年6月に「涙の銀座線」でデビュー。順風満帆なスタートとは言えず、スーパー銭湯や健康ランドなど、各地いろんな場所で歌い続けた。2015年あたりから風向きが変わり、2016年に「幸福あそび/愛をありがとう」でオリコンの演歌・歌謡曲ウィークリーチャート1位を獲得。翌2017年リリースの「愛でしばりたい」がオリコンのデイリー1位になるなど、人気が加速し始めた。2018年にリリースしたウェディングソング「プロポーズ」が13万枚を超えるヒットとなり、念願の「NHK紅白歌合戦」にも初出場を果たした。
現在は酒井一圭、後上翔太、白川裕二郎、小田井涼平の4人で活動しており、メンバーが元戦隊ヒーロー出身であったり、スーパー銭湯で営業していたことから、"スーパー銭湯アイドル"という新しいジャンルを確立。活動を始めた当初から「夢は紅白!親孝行!」という目標を掲げてきていて、結成から11年かけて昨年末にその目標を達成した。
彼らの魅力はコンサートでより感じられる。お客さんと同じ目線でコミュニケーションを取り、距離を感じさせない。2015年に年間200本を超えるコンサートを行うなど、ブレイクした後もそのスタンスを変えずに活動しているところが彼らの魅力だと言える。
そんな三山ひろしと純烈が8月5日に東京・なかのZERO大ホールで1日限りのスペシャルライブを開催した。"無責任"をテーマにしたスペシャルライブの前半は、ハナ肇とクレイジーキャッツの「無責任一代男」や吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」など昭和の名曲をコラボしたり、"あの年末のステージを再現する"企画コーナーでは三山の「いごっそ魂」歌唱にあわせ、純烈のメンバーがゼッケンをつけてNHK"紅白歌合戦の"けん玉大皿チャレンジ"に挑戦。純烈の「プロポーズ」では、三山が純烈の衣装を着用し、5人目のメンバーとして一緒に歌唱した。
三山がオフコースの「言葉にできない」のカバーをしっとりと聴かせると、純烈もJ-POPを代表するシンガーソングライター・秦 基博の「ひまわりの約束」を4人で歌唱し、ファンを魅了。三山の歌唱中に純烈が衣装を早着替えをし、純烈の間に三山が衣装をチェンジ。いろんな衣装が見られるのもこのライブの見どころの一つとなっている。
曲間のトークではボケ倒す三山に純烈の4人がつっこむなど、終始和やかな雰囲気に。「人に愛されるエッセンスは、三山さんからパクってるんです」と純烈が三山へのリスペクトの気持ちを伝え、「お互いにゲストで呼ぶことはありましたが、こういうライブ(ジョイントライブ)をやるのが夢でした」と喜びの気持ちを言葉にした後、最後は5人でザ・ドリフターズの「ドリフのズンドコ節」を披露し、楽しく明るく締めくくった。この公演の模様は10月19日(土)19時から放送される。
文=田中隆信
放送情報
三山ひろし×純烈LIVE
放送日時:2019年10月19日(土)19:00~ほか
チャンネル:歌謡ポップスチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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