1999年9月8日、シングル「アポロ」でメジャーデビューしたポルノグラフィティ。メジャーデビュー20周年を記念し、東京ドーム2DAYSライブを開催。神曲ばかりを集めた「神セットリスト」と共に、神がかり的なパフォーマンスでファンを魅了した。
初日の9月7日は、1曲目「プッシュプレイ」のコーラスがドームに響き渡り、それが開幕の狼煙となった。岡野昭仁が「東京ドーム、最高の1日にして帰ろう!」と叫び、「メリッサ」へ。キャッチーでどこか哀愁も香るヒット曲を、伸びやかに高らかに歌い上げた。パフォーマンスではどこまでもかっこいい2人だが、広島県因島出身のご当地なまりを隠さない素朴さもまた魅力となっている。「あんたらの心は熱くなってますか? わしらがポルノグラフィティじゃ!わしらは今日一日、心してかかるわ!」と観客を煽り、その闘志に火をつけた。
序盤に見られた20周年記念らしい演出の一つが、デビュー前からの付き合いとなる音楽プロデューサー・本間昭光をゲストに迎えた「メドレー」だろう。「ポルノグラフィティをぎゅっと凝縮したようなメドレー」と昭仁が紹介したように、「ミュージック・アワー」や「マシンガントーク」など多彩な楽曲を一つにまとめ上げた。続いて、重厚なピアノに導かれるように「アポロ」へなだれ込む。ポルノグラフィティの歴史が始まった記念碑的楽曲を、前半はメンバーと本間昭光の3人だけでのアレンジで演奏し、後半はキャッチーでエネルギッシュに展開。20年という時の流れを音で表現してみせた。
懐かしい映像や中盤のソロセクションを挟み、後半戦は、ピンクのスーツに身を包んだホーン隊が参戦。「渦」では、バンドアンサンブルとホーンセクション、そしてパワフルなボーカルが相まって音の贅沢な渦に巻き込まれているよう。その後は「ジレンマ」「愛が呼ぶほうへ」と続け、怒涛の終盤戦へ突入した。
歪んだギターとグルーブ感に圧倒される「ラック」、キャッチーで高揚感溢れる「キング&クイーン」とパワフルなナンバーを連打。ホーンがイントロを奏でると、観客がすぐさま「wow wow」と声を上げた「Mugen」。「ハネウマライダー」で昭仁がセンターステージへと走り出すと、観客はそれに応えるべく全力でタオルを振り回した。ラストを飾ったのは、50作目となる最新シングル「VS」。金の紙吹雪が舞う中、1曲目で披露した「プッシュプレイ」の1フレーズ「あのロッカー まだ闘ってっかな?」と、自らのキャリアを投影するような歌詞に思いを込めて、1日目を締めくくった。
2日目は、まさにデビュー記念日の当日。いきなり客席に近いセンターステージに姿を見せ、オーディエンスを歓喜させた。晴れやかな「プッシュプレイ」で開幕を告げた後、「お前らの魂の叫びを聴かせてくれ!」と煽り、「Mugen」を奏で始めた...!前日では、ライブ終盤に披露した楽曲を序盤に持ってくるあたりもまた、神セットリストたる証だろう。
デビュー記念日に歌う特別な「アポロ」に続き、前日は昭仁がソロで弾き語った「n.t.」を2日目はスケールの大きなバンドサウンドで届けた。また、「Twilight,トワイライト」では、ステンドグラスを思わせる美しい映像が映し出されるなか、厳粛さを伴う歌声と繊細なギタープレイで幻想的な世界観を創り上げた。
2日目のソロセクション、昭仁の「瞳の奥をのぞかせて」ではバイオリニスト・NAOTOが登場。場内から温かな拍手が贈られた。晴一は、「ウェンディの薄い文字」をアコースティックとエレクトロの融合したスタイリッシュなサウンドで表現。ぽつりぽつりとつぶやくような歌唱もマッチして、おしゃれなひとときとなった。
終盤戦、「2018年に出して、ポルノグラフィティの新機軸になった楽曲」と告げた「Zombies are standing out」で、重厚でエモーショナルなロックに合わせて噛みつくように吠えた昭仁。荒ぶる魂を象徴するように、火玉が次々と打ち上げられ、会場の熱気はさらに増していった。「ヒトリノ夜」「瞬く星の下で」など、前日のセットリストにはなかったナンバーを立て続けに鳴らした2人。ライブの定番人気曲「ハネウマライダー」も、ゴージャスなストリングスが参加したことで、前日とはまた違う新しい響きを手に入れていた。
本編も残すところあと1曲となると、昭仁はまるで親友に面と向かうような親密さでこのライブへの思いを語り始めた。大阪の吹田にあるスタジオに入った25年前は、音を鳴らすだけで楽しく、と同時に大きな夢を描いていたという彼ら。「駆け出しの、めいっぱい夢を描いていた僕らが想像できんかったところに、今、立っています。20年で、一番ステキで素晴らしい景色を見せてもらいました」と、感謝の気持ちをまっすぐに伝えた。その思いとともに、最後に鳴らしたのは「VS」。20年、走り続けてきた彼らだからこそ歌える言葉を真心こめて届け、大きな感動に包まれながらスペシャルライブの幕は降ろされた。
WOWOWでは、今回の「ポルノグラフィティ 20th Anniversary Special LIVE "NIPPONロマンスポルノ'19~神vs神~"」の模様が2週にわたって放送される。ポルノグラフィティの20年間を濃縮したような、アツく濃密で心揺さぶられる2DAYS――そのほとばしる情熱や熱気を帯びた息遣いまでもがリアルに伝わる映像で、その感動を間近に体感してほしい。
放送情報
ポルノグラフィティ 20周年記念スペシャル
「ポルノグラフィティ 20th Anniversary Special LIVE “NIPPONロマンスポルノ’19~神vs神~”」
DAY1 10月27日(日)20:00~(WOWOWプライム)
DAY2 11月3日(日)19:30~(WOWOWライブ)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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