Mrs. GREEN APPLE、 思わず"一聴惚れ"するバンドの魅力とは

一瞬にして引き込まれるキャッチーさとテンポ感のいいタイトなサウンドが魅力のバンド、Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーンアップル)。作詞・作曲を手掛けている大森元貴(ボーカル&ギター)を中心に2013年に結成。現在のメンバーは大森、若井滉斗(ギター)、山中綾華(ドラム)、藤澤涼架(キーボード)、高野清宗 (※「高」は正しくは「はしご高」) (ベース)の5人。

バンド名も個性的だが、ファミレスで会議をして、メニューを見ながら出てきたのが「GREEN APPLE」。そして中性的なイメージを入れたくて「Mrs.」が取り入れられたそう。

■2015年にミニアルバムでメジャーデビュー

2015年7月にミニアルバム『Variety』でメジャーデビュー。そこに収録されている6つの楽曲を聴くだけでもいろんなバリエーションがあり、多彩なバンドであることがうかがえ、基礎となる地盤がしっかりと出来上がっていたように思える。楽曲を作っている大森は、当時18歳。しかし、小学校6年生の時にバンドを組んだ経験があり、既にその頃から曲も作っていたというから、早くから才能を発揮し、自分の世界観が見えていたということだろう。

J-POPにおいても、サビがキャッチーな曲というのは多く存在するが、Mrs. GREEN APPLEの楽曲はAメロもかなりキャッチーで耳に残るフレーズが多い。その"つかみ"で持っていかれた人も多いのでは。そうなると、どんなふうに曲が生まれてくるのかが気になるところ。独学で曲作りを始め、試行錯誤を繰り返してきているが、基本的にはメロディと歌詞が同時に出てくると過去に語っている。

漠然としたビジョンが思い浮かんだら、そのイメージに合わせて歌い、それを録音する。その時に歌詞もあるというから、まさしく同時。"ひらめき"から生まれる。感覚的な作り方とも言えるが、それゆえにメロディと歌詞のリンク度も高いものになっている。サビに聴かせどころを集中させるのではなく、イントロを含めたAメロからキャッチーなフレーズを惜しげもなく盛り込んでいくところも、感覚的な作り方だからこそ生まれてくるのだと思われる。

■ポップで深い楽曲で幅広い世代から人気を集める

インディーズから、等身大の歌詞や世界観などを含めて10代からの支持は高く、メジャーデビュー後も2016年に大型フェスに多数出演し、単独ライブでもどんどんキャパの大きな会場へと移っていくぐらい飛躍的な成長を遂げていった。そして2017年1月、ファン層を拡大するひとつの大きなきっかけが生まれた。年頭の『関ジャム 完全燃SHOW』で、数々のヒット曲を生み出しているプロデューサー・蔦谷好位置が「2016年の名曲ベスト3」の1曲としてMrs. GREEN APPLEの「鯨の唄」を挙げたのだ。"ラジオで聴いた時に一目惚れならぬ、一聴惚れした"と言い、思わず車を路肩に止めたというのも有名なエピソードとなっている。

それによって更なるブレイクを果たし、30代、40代、さらにその上の世代にまでMrs. GREEN APPLEの音楽は届くようになった。自分たちがやりたいこと、表現したいことを音楽にする。結成当初からその気持ちでバンドを続けてきた結果、EDMに傾倒したり、様々なチャレンジを試みてきたが、キャッチーでポップであるという彼らの本質は変わらない。

多くの人に支持される理由としてもう1つ挙げられるのは、歌詞の中に垣間見える"切なさ"と"さみしさ"。そういった陰の部分が彼らの楽曲に重みと深みを加えている。同年代ではないリスナーは、かつて経験したことにその歌詞を重ね合わせて聴いているのではないだろうか。

昨年10月にアルバム『Attitude』をリリースし、12月から今年の2月にかけて初のアリーナツアー「Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR / エデンの園」を展開中。ハイレベルな演奏と胸に刺さる歌詞・メロディ・歌声をより感じるにはライブが最適。2月29日(土)には、このツアーから12月8日の神奈川・横浜アリーナ公演の模様がMUSIC ON! TVで放送されることが決定しているので、そこから彼らの魅力を感じ取ってみてはいかがだろう。

文=田中隆信

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放送情報

M-ON! LIVE Mrs. GREEN APPLE 「Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR / エデンの園」
放送日時:2020年2月29日(土)17:30~
M-ON! SPECIAL 「Mrs. GREEN APPLE」 ~Review of エデンの園~
放送日時:2020年2月22日(土)00:00~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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