氷川きよし「2020年は0からのスタート、第2章が始まります」

氷川きよし
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2020年2月から21年目がスタートする氷川きよし。昨年12月に東京国際フォーラム ホールAで行われた「氷川きよし スペシャルコンサート2019 〜きよしこの夜Vol.19〜」はこれまでの集大成的な内容であり、21年目に向けての新たな第1歩を踏み出したステージでもあった。今回のインタビューでは、その日の様子を振り返ってもらいつつ、今後目指すところなども語ってもらった。

――「氷川きよし スペシャルコンサート2019〜きよしこの夜Vol.19〜」は盛りだくさんな内容になりましたが、どんな気持ちで臨まれましたか?

「2020年は0からのスタートにしようと思っていたので、昨年12月の東京国際フォーラム ホールAでの公演は1つの区切りだと考えて、『今までの20年はバックボーンを作ってきた"第1章"で、これからがありのままの氷川きよしをもっと見せていく"第2章"なんだよ』という気持ちで臨みました」

――第1章の締めくくりでありながら、新しいことへの挑戦も盛り込まれた第2章の始まりにも感じられました。

「ジャンルを超えて自分の全てを表現したいと思い、演歌とポップス系を半分半分にしました。股旅演歌を含めたオリジナル演歌を前半で全部歌って、後半は思い切り自分を出してあげたいと思ってポップスやロックを。1曲目に最新アルバムに入っている『それぞれの花のように』を歌ったのは、"人にはそれぞれ個性があっていいんだよ"という1番伝えたい思いがあったからなんです。蝶々をモチーフにした衣装にも、さっき"第1章"と言いましたが、サナギの時期を経て、第2章で蝶のように飛び立つという気持ちを表現したかったんです」

――湯川れい子さんが日本語訳詞を手掛けたクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を歌った理由も、「それぞれの花のように」に通じるところがあったのでは?

「そうですね。楽しいことばかりじゃなく、悩んだり苦しんだりした経験も作品に投影されています。映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観た時、この曲の歌詞の日本語訳を字幕で読んで涙が出てきました。フレディ・マーキュリーもスターになって裕福になっても孤独感があったり、いろんなことに悩んだり葛藤していたんだなって。彼の生涯と思いが込められたこの曲をもっと日本の人たちに伝えていくべきだという使命感を感じて、この曲を日本語で歌いたいと思いました」

――ビジョンに映し出された氷川さん自身の映像と掛け合いのように歌ったり、大編成のバンドによる演奏も含めて、大きな会場だからこそ披露できた曲なのかなと思いました。

「ビジョンもあり、(バンドの)人数が多かったので、より感動的な表現になったと思います。(歌詞とメロディーを)覚えられないですと言えないので必死になって覚えました(笑)」

――初披露でしたが、歌い終えた時はどんな気持ちでしたか?

「1人1人が相手を尊敬して尊重していく世の中に変えていきたいと、特にこの1年、考えていましたので、歌い終わった時、使命の1歩を踏み出せたような気持ちになりました」

――そして、21年目のスタートとなる2月にシングル「母」をリリースされますね。

「4年ぐらい前からタイミングを見て『母』という曲を歌いたいと思っていたんです。自分の原点は母だと思っていますし、体が強いほうじゃないのに頑張って自分のために生きてくれたので、楽させてあげたいとか思うわけです。そんな曲を出すのに今がちょうどいいタイミングだと感じましたので、シングルとしてリリースすることができました」

――"2020年は0から"ということですが、またいろんなことにチャレンジされるのでしょうか。

「はい。まだまだ挑戦していないジャンルがたくさんあるので、いろんな曲を歌いたいですし、ジャンルや肩書に括られない存在になりたいですね」

文=田中隆信 撮影=伊東武志

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放送情報

氷川きよし スペシャルコンサート2019 〜きよしこの夜Vol.19〜
放送情報:2020年2月29日(土)13:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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