MY FIRST STORYが初のさいたまスーパーアリーナに刻んだ熱い信念

ツアーごとにバンドの「これまで」を更新し続ける"マイファス"ことMY FIRST STORY。昨年8月から行なった「MY FIRST STORY TOUR 2019」もまた彼らにとって大きな挑戦といえる内容だった。ライブハウスツアーにはじまり、ホールツアーを経て、初のアリーナツアーに辿り着く...全3形態の14都市17公演を駆け抜けた同ツアーから、そのファイナルとなったバンド史上初のさいたまスーパーアリーナ公演の模様が、WOWOWにて2月23日(日)に放送される。

「この世界は俺がいなくても変わらずに動いているかもしれない。でも、明日も歌っていることで、変えられる世界があると信じて、ロックバンドをやっている」――この日、Hiro(Vo.)がステージで言い放ったように、インディーズバンドの限界を越え、ロックシーンの頂点を目指す彼らの信念が強く刻まれたライブとなったファイナル公演。1曲目の「不可逆リプレイス」では、重厚なバンドサウンドにのせて、胸を引き裂くようなHiroのハイトーンボーカルが広大なさいたまスーパーアリーナに響き渡った。

「さあ、楽しもうか！」という言葉を合図に「Black Rail」へとなだれ込み、インスト曲「monologue」では「決められたルールよりも、お前らの気持ちを大事にしてやれ！」と熱いメッセージを投げかけていく。序盤から熱狂に包まれた会場だったが、Hiroは「おい、お前ら、そんなもんか！？束になってかかってこい！」と挑発。花道を歩きながらラップを繰り出した「KING ＆ ASHLEY」やスタイリッシュなサウンドを取り入れた「mine」では観客を跳ね踊らせ、密なコミュニケーションを重ねながらライブは進められた。

中盤、初めて立つさいたまスーパーアリーナのスタンド席を見上げて、「デカいね。上のほうの人は落ちちゃいそう(笑)」と初々しい感想を口にしながら、メンバーがセンターステージへ移動すると、アコースティックコーナーに突入。昨年リリースされたアコースティックアレンジ盤『THE PLUGLESS』に収録された「終焉レクイエム」を披露し、バンドアレンジとはひと味違う繊細なサウンドで曲に込められた孤独や絶望の色合いを一層強く浮き彫りに。美しくも切ないミディアムバラード「Love Letter」では、客席のスマホのバックライトの光によって、会場に光の大海原のような幻想的な景色を描き出された。

再びメンバーが正面のステージに戻ると、昨年リリースの最新ナンバー「無告」から、ライブはクライマックスへ。「俺の人生が変わったのは2011年5月2日の渋谷AXだった」という言葉と共に、小さなライブハウスからはじまった「物語」が、8年という歳月をかけ、さいたまスーパーアリーナまで辿り着いた感慨を伝える。そして届けたのは、Hiroがバンドを組むきっかけを与えたPay money To my Painのカバー「Weight of my pride」だった。そこから「MONSTER」や「ACCIDENT」、バンド初期からのライブアンセム「モノクロエフェクター」といった狂騒的なナンバーを間髪入れずに畳みかける。「俺の生きる理由はただひとつ...お前たちと生きていくことだけだ！愛してるよ、さいたまー！」と叫んだ、ラストの一曲「With You」で、さいたまスーパーアリーナは最高潮の盛り上がりに。「もっとラクにいきる道があったかもしれないけど、俺たちには叶えなきゃいけない夢がある」と覚悟を決めたMY FIRST STORY。その偉大なる通過点となったライブは、大きな歓声に包まれて幕を閉じた。

WOWOWでは、このファイナル公演の放送に先駆け、昨年1月に行われた横浜アリーナ公演「MY FIRST STORY S・S・S TOUR FINAL at Yokohama Arena」の模様も2月20日(木)にアンコール放送される。

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