25周年を迎えた清春 媚びない姿勢を貫くカリスマの現在地

50才を過ぎてもそのイメージ、身に纏うオーラは変わることがない。

2019年にデビュー25周年を迎えた清春は1994年に黒夢のボーカリストとしてメジャーデビュー。「BEAMS」、「少年」、「MARIA」などのヒット曲を送り出し、当時からファッションセンスと尖った存在感で女子のみならず男子からも憧れられる存在だった。

1999年には突然、黒夢の無期限の活動休止を発表し、ファンを驚かせたが、ほぼ同時にsadsを結成し、2000年には伝説のドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の主題歌に起用された「忘却の空」が大ヒットを記録。その3年後の2003年にはsadsも活動を休止するが、同年に清春としてソロデビューを飾るなど、ノンストップで走り続けてきた。

2010年には黒夢、sads(現在は解散、活動休止)の活動を再開させ、ソロ活動と並行させるなど、ヒストリー自体もあまり類を見ないものだ。音楽性や形態は違っても"清春"は"清春"。ボーカルの個性と1度見たら忘れられないヴィジュアル、パフォーマンスが多くの人を釘付けにしてきたという意味においていまなおロックシーンのカリスマであり続けている。

日本のロックシーンで活躍し続ける清春

3月25日(水)にはデビュー25周年の集大成となるソロ10 thアルバム『JAPANESE MENU/DISTORTION 10』をリリース。そんな清春のヒストリーを振り返りつつ、アルバムの制作秘話や未来について語ったインタビューも盛り込まれたスペシャル番組「清春25th anniversary TOUR 2020 『JAPANESE MENU』debut day」が3月25日(水)にテレ朝チャンネル1でも放送される。

清春が、愛され続ける理由とは?

■媚びない美意識とエネルギッシュ過ぎるライブ

スレンダーな体型をキープし続け、自身のアパレルブランドのデザイナーとしても支持されている清春の美への感度は高い。最新アルバムでは世界的にも注目されるプロジェクト「DISTORTION」と衣装やジャケットデザインのアートワークをコラボレートしているが、モード系からストリート系、エスニック系まで何を着ても絶対に服に着られることがないのが清春だ。

歌に関しても同じことが言える。歌が流れてきた瞬間に自分だとわかるボーカリストになることは多くのシンガーが目指すところだと思うが、清春の声質、独特のクセを持つ歌い方は誰にも似ていない。攻撃的でファストなナンバーを歌ってもメロウなバラードを歌っても曲に翻弄されることがないのだ。ロックは非日常的な音楽と定義し、シーンのメインストリームとなったフェスよりワンマンを重視する姿勢も貫き通してきたスタイル。

退廃的で妖艶なムードを醸し出している清春だが、細身の身体のどこにそのパワーが?と思うほどの圧倒的な声量とエネルギーで3時間超えのライブ(MCは短め)は通常運転。2019年のカウントダウンライブは6時間にも及んだ。

■ワン・アンド・オンリーを貫き通したからこそのアルバム

デビュー25周年第1弾として昨年の9月にリリースされた初のカバー・アルバム『Covers』は井上陽水、中島みゆき、UA、オリジナル・ラブ、いきものがかり、小坂恭子などのヒット曲を歌い、清春という歌手のアイデンティティーを浮き彫りにする作品となったが、オリジナルアルバム『JAPANESE MENU/DISTORTION 10』についてはカウントダウンライブで「今の洋楽志向ロック・シーンの流れに捉われない、言わば完全邦楽志向を貫いたロック・アルバム」と予告。リリース前にファンを招いて開催されたパーティー「清春『JAPANESE MENU』リスニングイベント」では「"化粧とロックンロール"を体現したアルバムだと初めて胸を張って言える」とコメントした。

移り変わってきたシーンの中で流されず、媚びることなく自身の美学を追求してきたからこそ言える言葉。これからも清春の行く先を楽しみにしたい。

文=山本弘子
撮影=宮脇進(アーティスト写真)、青木カズロー(ライブ写真)

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放送情報

清春25th anniversary TOUR 2020 『JAPANESE MENU』debut day
放送日時:2020年3月25日(水)20:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1 ドラマ・バラエティ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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